一般的にターゲット層を設定するときは「性別・年齢・既婚/未婚・職業・地域」といった指標で設定します。してきました。特に年齢はターゲットユーザーの輪郭を際だたせるのに大切なものです。
しかし今どき、同年齢の行動様式が同じであることなどはありません。十把一絡げに考えていても失敗するだけです。この多様化している昨今、年齢という切り口で大雑把に切るのはかなり乱暴なことなのです。周りを見渡してください。きっと、これまでの実年齢のもつイメージ像とはことなる性格や生活様式、価値観、生活観の人たちがは大勢いるはずです。
単純に女性。「30代女性」などといったざっくりとした言葉ではターゲットを絞れないのが現実です。行動パターン、性格、趣味・志向といった指標を組み込まないと、高精度なリアルターゲットユーザーは見えてこないと思います。
例えば、一世を風靡し、今でも30代・40代女性(大人女子と呼んだりもしますが)に絶大な人気を誇る「セックス・アンド・ザ・シティ」。ニューヨークに生きる4人の女性の友情と恋愛を描いた大ヒットシリーズです。ヒットの理由は感情移入しやすい4人の異なるキャラクターと、そのストーリーでしょう。同年代の女性はもちろん、若い女性にも希望や元気を与えてくれる内容だから、ここまで受け入れられたのだと思います。
30代(設定上の年令)で始まり、今は40歳。彼女たちのライフスタイルはパワフルでゴージャスになっています。ただし、実際演じているサラ・ジェシカ・パーカーなど女優の年齢は40代後半から50代後半です。彼女たちには、いわゆる「おばさん」という言葉は当てはまりません。
ただし、これはアメリカのドラマの中だけではありません。日本国内でも、40代女性のライフスタイルやファッションは多様化してきており、一括りにはできなくなってきています。「おばさん・おじさん」というくくりに当てはまらない人たちが街にはあふれています。ファッション、自分の洋服選びにおいて、対象年齢で探す人がいまやどれだけいるでしょうか。恐らく、対象年齢で探すのではなく「好み」でファッションをサーチして、選択・購入しているのではないでしょうか。
これがいわゆる、実年齢ではなく、嗜好や意識での年齢「マインド年齢」という考え方、捉え方です。マインドエイジと呼んだりもします。マーケティング戦略を「マインド年齢」や「スタイル」でセグメント化する考え方が定着しているのも納得していただけるのではないでしょうか。
例えば化粧品。「肌年齢」という言葉はかなり浸透してきていると思いますが、これも同様の捉え方です。肌と実際の年齢は異なる。だから・・・という考え方です。見た目、肌が若々しくて美しいと若く見える。そのような考え方、アプローチで展開している化粧品が多いことは言わずもがなです。
また、「年を取っても、マインドだけは若々しく女でいたい」という一般通念はもとより、最近では「女子力」「大人女子」といった言葉も増えてきました。「一生女の子宣言!」などという特集記事を組んだ雑誌もあったようです。「女性・女ではなく女子と呼ばれたい」と考える女性たち。これは何歳になっても女性として若くありたい・美しくありたいという憧れだと感じます。実年齢は時間という強大な流れに勝てませんが、マインド年齢は違いますからね。
個人的には、“若づくりとは捉えられたくないが、若い感性・敏感な感受性は常に保持していたいと思っています。年相応の年齢のとり方にも憧れる”という気持ちもあります。
40代半ばですが、マインドエイジを比較的若くもって、アンテナは敏感に、昨日よりは少しアクティブに、そしていつも前向きに仕事をして生きたいと思っています。
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