第13回「松之丞百席」

第13回「松之丞百席」＠らくごカフェ

神田松之丞：「熱湯風呂」（寛永宮本武蔵伝）
神田松之丞：「淀五郎」
－仲入り－
三笑亭夢吉：「強情灸」
神田松之丞：「吉岡治太夫兼房斎」（寛永宮本武蔵伝）

今夜も松之丞さんは素敵でした。高座から「らくごカフェ」を支配してた。掴み損ねた時もあったとは思うが、概ね掴みまくっていた。後ろを観ながら観ていたわけじゃないから、あれだけど、少なくとも俺より前の座席はすべて支配していたと思う。無論、高座からの景色は違って見えたかもしれないが。

松之丞さんは雰囲気がある。高座上の雰囲気（ON）と、高座を降りた時の雰囲気（OFF）との大きな落差がまたいい。俺の大好きな三遊亭遊雀師匠くらいイイ。

俺はバイクが好きだが、スタートから最高速度に持って行くには当然のことながら何度かギアチェンジして徐々に加速していく。その途中で「きたぁぁぁ」というスイッチが入る瞬間がある。マシン的にも気持ち的にも。非昂揚感と昂揚感のはざま。今風に言えばゾーンに入るとでもいうのだろうか。

松之丞さんもスイッチが入る瞬間があるんだろうと思う。黄色い照明に照らされた高座が紫色（俺の勝手なイメージ）に変わる瞬間がある。釈台（机）に打ちつけられ、張り扇が唸るたびにどんどん引き込まれて、背筋にぞくぞくしたような電気が走る。そして最後に待ち受ける得も言われぬカタルシス。いいわぁ。いいわぁ～。

言っておきますが俺は男でノンケです。恋愛対象は女性です。ノンケですが、もし俺が、あたしが女なら、あぁこの人になら抱かれてもいいと感じていると思う。もう委ねちゃうという感じ。

高座を観ていて不安に感じたり、がんばれー！と応援したくなる演者さんは少なくない。でも松之丞さんは超安心。好きなようにしてくださいと完全に委ねて超安心な心持ちで居られる、楽しめる。だから、次回分も迷わず予約して帰ってきた。

あと、夢吉さん。俺、夢吉さんも大好き。7/28（日）の三笑亭夢吉独演会＠飯能駅にも行こうかと思ってるくらい。早く都内で３席で独演会開いてくれないかなぁ。ゲスト出演じゃなしに、まじめに「夢吉・松之丞二人会」を開いてほしいくらいですよ。これで1,500円は気絶しそうなまでに安い。ありがたいことだけど。

「百席」終わり、その足で久しぶりの末広亭深夜寄席に。

三遊亭美るく：「ちりとてちん」
林家たこ平：「動物園」
桂三木男：「お菊の皿」
桂才紫：「たがや」

正直、残念な回だったな。大当たりだぁって回もあるから、今夜のような回もあるんだろうことは覚悟の上ですが。

美るくさんは以前鈴本早朝寄席で聴いた新作の方が面白かった。あと、髪型が変わってた。そして前観たときよりもかわいくなってた。

たこ平さんは相変わらずのはっちゃけぶり。俺、嫌いじゃないです。なんせ天どんチルドレンですからね。

三木男さん。下手じゃないんですけど…。数回聞いてるんですけど、残念なことにそれだけって感じ。

才紫さん。才紫さん目当で行ったわけですが俺の期待値が高いのかなぁ。ま、全ての高座が俺にハマるってわけでもないからね。次回の高座にも期待かけて通います。