コチフェス2013夜の部

コチフェス2013夜の部

瀧川鯉○:「かぼちゃ屋」
春風亭柳若:「看板のピン」
三遊亭小笑:「唖の釣り」
古今亭志ん八:「ニコチン~小言駐輪場」
-仲入り-
瀧川鯉八:「カエル」
春雨や雷太:「仏馬」
柳亭小痴楽:「宮戸川」


鯉○さん。「かぼちゃ屋」。鯉八さんいわく、一番師匠(鯉昇)に似てるらしい。仕草とか可愛い笑顔の作り方とか。確かに、愛嬌のあるかわいらしさは鯉○さんの武器だ。12月から始まる鯉○・鯉八兄弟会も楽しみです。

柳若さんは「看板のピン」。

飛び入りゲストの小笑さん。「唖の釣り」か「松山鏡」かと振られて「どっちも一度しかかけていない(恐らくグズグズ寺でのみ?)」といいつつも、「唖の釣り」に。グズグズ寺で聴いた時よりも今夜の方が面白かった。絞め殺されかけてる人の声みたいに絞り出すような感じでしゃべったりするところとか、しかし小笑さんはなんか癖になる。ものすごく巧くて!という感じじゃないんだけど、そういう方向じゃないみたいなんだけど、なんかなんか癖になる。うーん。とにかく、12月9日(月)@レフカダの「小痴楽・小笑二人会」で小笑さんの「芝浜」聴きに行きますわ。

志ん八さんは十八番の新作落語「ニコチン」からの、初めて聴く新作落語「小言駐輪場」を。志ん八さんらしいライトタッチ、やさしさあふれる、マイルドな作品でした。

御目当ての鯉八さんは「カエル」という噺。ゲラゲラ大笑いするでもなく、(う~ん難解だ…)と感じるわけでもなく、今までにない中途半端な感覚をいだきました。これまでの鯉八さんの噺だと、笑えても笑えなくても鯉八ワールドが、その世界観と言うか風景と言うか情景が目に浮かんで、圧倒されてきたものです。「暴れ牛綺譚」なら奥深い田舎の村、映画「もののけ姫」の冒頭のような、村の長と副村長を丸く取り囲む村人たちの世界(俺の勝手なイメージね)。「やぶのなか」なら公団住宅、アパートの2階のリビングでこたつを囲む4人の人間(俺の勝手なイメージね)。「ある組織」なら、縦横無尽に配管が入り組んだ薄暗い地下空間(俺の勝手なイメージね)。でも、今夜の「カエル」では今一つ世界を思い描くことができなかった。俺が疲れてたからかな。要所要所では笑えただけに、ちょっと残念。「それそれ」を発展させたような方向だったのかな。

雷太さんは「仏馬」。相変わらず真面目な人だ。この一本気なところが俺は大好き。雷太さんが自分勝手に伸び伸びと高座を3席くらい務めている落語会に行きたい。勉強会とかやってないのかな。

トリは小痴楽さんで「宮戸川」。道楽亭で聴いた時のほうが乗ってたように思えた。


フェスティバルなので“お祭り”感覚は大切。そこに客が介在しての“わいわいがやがや”ならいいと思うのです。しかし、鯉八さんが図らずも指摘していたように、雷太さんが苦言を呈していたように、“仲が良い者同士”によるなぁなぁな雰囲気(高座中に控室から聞こえてくるおしゃべりとか、煙草の匂いとか、緊張感の欠けた、とうに感じる感じ)は、次回は少し削った方が良いのではないかなと言う気がした。

文句言いつつも、大好きな噺家連なので次回も次々回も開催されればきっと観に行くのですが、俺みたいに大ファンじゃない人、もっと大勢の初めての人たちに好きになってもらうために、(媚びるのではなく)もう少し“しゃ”っとすると、もっと良いのではないかなぁと感じた次第です。