第12回 桂文雀独演会@池袋演芸場

第12回 桂文雀独演会@池袋演芸場

入船亭ゆう京:「弥次郎」
桂文雀:「海女」
一龍斎貞鏡:「黒田節の由来」
桂文雀:「年枝の怪談」
-仲入り-
桂文雀:「寝床」


ゆう京さんの「弥次郎」の途中から入場。少し欠けたけど、文雀師匠に間に合ってよかった。座席のことが気になって、噺に集中できず。失礼しました。でも始終笑いは起こっていた。いいぞ、ゆう京さん。

文雀師匠は「半沢直樹も、あまちゃんも、観てないんですけど」と言いながら、三遊亭金馬師匠から教わったという「海女」という昔の新作を。珍しい噺と言えば、俺の中では正雀師匠&文雀師匠。馬桜師匠もかな。もっともっと珍しい噺、不思議な噺を掘り起こして高座でかけて欲しい。笑いたい気持ちも強いけど、知りたい気持ちも強いのです。

ゲストで出てきたのは女流講釈師、一龍斎貞鏡さん。初めて観ました。(あぁ、これは可愛い。これは人気出るよなぁ)とひとりごちた俺。時折、別の話を織り交ぜながら「黒田節の由来」を。可愛くてきれいだけど、やはり俺は武骨な、残忍な噺の方が好きだわ。

文雀師「年枝の怪談」。これは先代の林家正蔵師匠(八代目林家正蔵。稲荷町。故・彦六)が、ある人の話をヒントに創り上げた(?)噺だそう。好きなんだよね、この手の渋い噺。怖いと言うよりも苦い渋い。苦渋の要素が含まれた地味だけど味わい深い噺。夏よりも秋にぴったり。怪談というタイトルだけど怪談じゃない。苦渋噺(俺命名)。いいわぁ文雀師。サゲもエッジが効いててシャープ。

トリは「寝床」。喜多八師匠の「寝床」と同じくらい、いや、それ以上に笑った面白かった。特に後半のシーケンス。なかでも、頭(かしら)が旦那に言い訳するパートが最高でした。俺の中では最高の盛り上がり。この手の噺でどっかんどっかん笑いが取れるじゃないですか、文雀師匠。渋いだけじゃないですね。意外なほどに明るく面白く、(俺が知らなかっただけだろうけど)新たな師匠の一面を体験できて、大満足しながら会場を後にしました。

打ち上げの連絡があったのですが、一緒にお酒を飲むのは11月の道楽亭で。ということにして、以前、先輩に教えてもらったあの「ZAPP」に。ぜひともまた来たかったのです、SOUL BAR「ZAPP」。迷いながらも到着。こないだが初回だったのに、なんと、お店の人が俺を覚えていてくれた。「こないだは、どうも」とか言われちゃうと、もう、一気にテンションあがる。うれしい心持ちになりました。顔覚えはサービス業の必須スキルだよなぁ。心地よい余韻と雰囲気に包まれつつ、美味しい時間を過ごして帰宅。あーー楽しかった。