第14回グズグズ寺@らくごカフェ

第14回グズグズ寺@らくごカフェ

春風亭昇也「権助魚」
三遊亭小笑「壺算」
神田松之丞「天保水滸伝 潮来の遊び」
-仲入り-
瀧川鯉八「鳥椿民俗学」
春風亭柳若「竹の水仙」


40名ほどの入りだそうで。この会も60名超満員になる日も近いかもかも。

昇也さんの「権助魚」。つっかえつっかえでしたけど、これからどんどん仕上がって行く感じが透けて見えてステキです。ただ、昇也さんは、しゅっとしてるだけに、ズーズー弁キャラは今一つしっくりこない印象を。初見ですが。が、枕は相変わらず上手い。巧み。芸協祭りの話とか、もともと面白話なんだろうけど、面白おかしく語る話術は凄いと思う。

小笑さんは「壺算」。もうなんていうか小笑力というか、小笑性が凄まじい。こんなザラザラした「壺算」は初体験。壺算名物のズル賢い兄貴が故障さんの手にかかると、なんというか相当な間抜けに見えてくるというね。騙されてる店主以上に阿呆に感じてしまうから不思議だ。年末の「芝浜」も小笑性に彩られてどんな「芝浜」になるか楽しみで楽しみで。小笑ボイス(首を絞められながらのような発声)による「お客さまぁぁぁ」は夢に出てきそうだ。

松之丞さんは、芸協祭りにおける松鯉師匠&見世物小屋の話を。変わら師匠ラブ感、こちらも素敵です。がっちり客の心をつかみつつ、「天保水滸伝 潮来の遊び」へ。落語の「明烏」に似た話とのこと。確かに、聞いてみたらそっくりだった。これまでなら、ギラギラ、ヌラヌラする系の話ではないから…と言ってしまうところだけれども、今夜は何かが違ったなぁ。なぜだ。なにがだ。それは松之丞さんを聴き続ければわかることだろうなきっと。

不条理で不思議さがあるのが鯉八流だと思っている俺にとって、最近の鯉八噺の中では、今夜の新作「鳥椿民俗学」は楽しめました。若干、「暴れ牛奇譚」っぽさもあったけど、まぁ、それはご愛嬌かな。今夜の話は俺と合っていたのか、謎の浮島(?)のシーンとか、巨大な女体島であることなど、状況と情景が容易に想像できました。映像的だと観客との一体感、共有感が生まれるから、客も面白がれるんだろうな。これからも“けったいな噺”をどんどん、こさえて欲しいです。

柳若さんの「竹の水仙」は、俺は扇辰師匠のそれと比べてしまったので…。あんまり動かない、渋く、凛とした姿の左甚五郎がかっこいいと思うのでありまして…。柳若さんの甚五郎はちと軽かったような。もちろん、噺家さんそれぞれではあると思うし、カジュアルな「竹の水仙」もあってよいとは思うのですが。ボロは着ててもにじみ出る品格と名人っぽさ、渋み。それが今一つ感じられなかったのが残念です。

次回のグズグズ寺は11/20 (水)。もちろん、参戦するぜぃ。