四の日昼席@巣鴨庚申塚スタジオフォー
古今亭文菊:「高砂や」
初音家左橋:「長短」
桂才紫:「叩き蟹」
-仲入り-
古今亭駒次:「初めての自転車」
隅田川馬石:「替り目(うどん屋にからむ部分、新内流しの部分あり)」
今年初の落語会、落語会初め、落語初め、噺初めが今日。巣鴨とげぬき地蔵で有名な高岩寺へ二度目の詣で。
2014年の噺初めは文菊さんの「高砂や」。
「高砂」を朗々と吟詠するのは婚礼の席の祝儀には欠かせない儀式。御目出度い一席で2014年の落語(聴き)人生幕開け。こいつは春から縁起がいいやぁ。
高砂や この浦舟に 帆を上げて
この浦舟に帆を上げて
月もろともに 出汐(いでしお)の
波の淡路の島影や 遠く鳴尾の沖過ぎて
はやすみのえに 着きにけり
はやすみのえに 着きにけり
四海(しかい)波静かにて 国も治まる時つ風
枝を鳴らさぬ 御代(みよ)なれや
あひに相生の松こそ めでたかれ
げにや仰ぎても 事も疎(おろ)かや
かかる代(よ)に住める 民とて豊かなる
君の恵みぞ ありがたき
君の恵みぞ ありがたき
古典を古典らしく演って(現代的なクスグリを入れたりせず)、間と表情と緩急・落差でここまで笑いを取れる技量。文菊さんのチカラは本当に凄まじいと改めて思いました。今年はいっぱい聴きに行きたいな。サゲは「浦舟」にかけて「助け~舟ぇ~」と叫ぶパターンのやつ。いいわぁ。幸先よい気持ちに包まれました。
現在闘病療養中の古今亭菊輔師の枕から入った左橋師匠。「長短」をかけたのは菊輔師匠のことが頭があったからかな、と感じました。というのも。以前の「四の日昼席」で菊輔師の「長短」が大いにウケていたことを思い出したからです。菊輔師匠の元気な高座姿がまた観たい。復帰を希望します。
仲とりは才紫さん。才紫さんで「四の日昼席」と言えば、以前聴いた「代書屋」。もーーーんのすごく笑ったなぁ。ようやく真打昇進を「今年」という事ができる、「モノには魂が宿る」などの枕から本編へ。で、今日は正月らしく何をかけてくれるのかな?と思っていたらば…。思っていたらばタラバガニ。
なんと「叩き蟹」。やったーーー!これが聴きたかったのーーー!年末、黒門亭でネタ出ししていたのに行くことができなかったから。だから、とんでもなくハッピー気分。
「情けは人のためならず」。いい言葉だなぁ。中身も良かったし。聴くことができて本当に良かった。しかも正月早々。来てよかった。にしても俺は親子(特に子が息子の場合)の噺に極端に弱いなぁ。涙腺が緩む緩む。
駒次さんの「初めての自転車」も良かったわぁ~。ウケてた。すごくウケてた。今日一番沸いたんじゃないだろうか。駒次ファンの女性客が多かったのだろうか。ちょっと感じたのは駒次さんの話には「公園」がよく登場するな。いや、別にいいんだけど。
トリは馬石さん。
一門での忘年会での話、龍玉師匠(か白酒師匠?)が(そろそろ帰ろうかな)とする雲助師匠へのたまった「初孫(ういまご)なんですからー(もうちょっと付き合え―)」(白酒師匠に初の弟子。雲助師匠の初孫弟子)という酔魂の叫び。「酔っ払いの観察」以上に、一門愛を感じるハートウォーミングな楽しい枕から、フルバージョンの「替り目」(うどん屋にからむ部分、新内流しの部分あり)」。
噺は巧いんだけど、唄があんまり…馬石さん。「終演後は入り口で振る舞い酒をお配りします」とのサービスにつながるようにと「替わり目」を選んでくれたのか?馬石さん。
大満足な心持ちで巣鴨を後にした正月3日目でした。明日のトリは文菊さんらしい。明日も行きたいなぁ、無理だけど。
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