第23回グズグズ寺(ゲスト:雷門小助六)
オープニングトーク(全員)
三遊亭小笑:「元犬」
雷門小助六:「薙刀嫁」
-仲入り-
春風亭昇也:「半分垢」
神田松之丞:「あずきまんま」
ここ2回ほど休んでいた「グズグズ寺」通いだが、(ゲスト:雷門小助六)と聞いては必参加。
トーク。松之丞さんの仕切りぶりは相変わらず素晴らしいが、初の真打ゲストだけあって、3人とも緊張気味。小助六さんの味・良さを紹介したあとは、小笑さんが言いだしっぺで、なぜか三本締め。よぉー!
で、肝心の自分の高座では小笑さん。「元犬」。昨日、夢吉版大爆笑「元犬」を聴いてきただけにギャップが激しくて激しくて。
硬い。いつにも増して硬い。いろんな件が抜けまくっていた。飛びまくっていた。掃き溜めで生まれましたの件とか、犬人間らしい数々失敗の件とか、両親は?と聞かれて「オスですか」「こらこら、オスとはなんですか」の件とか、突如、「(女中の)おもとはいないかー?」になって、ジャンボ鶴田のへそで投げるバックドロップのような急転直下のサゲ。もはや「元犬」高速版のていに。結果、柔らかさもはつらつさも感じない、チンチン寺というかゴツゴツ寺。
落ち着いたたたずまい、オーラを放って空気を一変した、一遍に掌握した小助六さんは「薙刀嫁」。初めて聴きました。このころ、雷がピーク。ゴロゴロ寺。
「薙刀傷」が本来の題らしいのですが、なんとか師匠の考えで落語らしく「嫁」にしてるのだとか。「ももキズ三寸、肩八寸、指は九本になりかかる」のサゲを聴いて、納得。
それよりなにより、爆笑をかっさらっていたのが冒頭。
若旦那の恋煩いの件で、「崇徳院」と「千両みかん」をパロディと言うか、くすぐりというか、で加えて、その部分、とても面白かったのです。ただ、もうひとつがわからなかったのが残念。
(事後)
小助六さんに伺ったところ、冒頭が似ている噺として、もう一つ、加えていたのは「擬宝珠(ぎぼし)」だそうです。「擬宝珠が舐めたい」と患う若旦那の噺。一度聴いてみたいもんです。丁寧にお答えいただき、小助六さん、ありがとうございました。
熊さんが、何か大きな箱を持って来ていましたが、あれが「擬宝珠(ぎぼし)」だったのですね。あそこで畳み掛けられて、一気に笑いの世界に入っていけました。小助六さん、柔和な佇まいとは裏腹にバッキバキの高品質高座で、バキバキ寺。
昇也さんファンの俺には分かる。すこし早口なときは自信がないときだと。今夜の「半分垢」もそうだった(ような気がした)。「時そば」や「庭蟹」のときなんて、特に「庭蟹」のときなんて、堂々としてたもんね。
口がわまるから、聞き取れるんだけれども、息継ぎなしで、間がない感じで、マシンガン的に、だだだぁーーーっと放ってくるから、こっちも聴いて少し息が苦しくなる。ちょっぴり、きょどってたらか、オドオド寺。
トリは松之丞さんの「あずきまんま」。何度も「あずきあんま」って聞こえたのだけれど…。なので、しんみりした噺なのに没入できなかった。「あずきあんま」と聞こえる度に現実に引き戻ってしまい…。なのでざんねん寺。
とかなんとか書いてますけど、次回も来ますよ。どんだけグズグズしてても、みんなのこと、好きだもんね。俺。帰り際、昇也さんから7月の余一会のチケットを購入。
★マーケティングの視点★
親切に対応されると、ますます好きになる。ファンになる。
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