春風亭昇也「昇也のこっそりやる会Vol.4」
春風亭昇也:「半分垢」
春風亭昇也:「馬のす」(ネタおろし)
三遊亭橘也:「たがや」
-仲入り-
春風亭昇也:「山号寺号」(ネタおろし)
春風亭昇也:「ちりとてちん」
道楽亭での勉強会「フタを開ければ……」には行ってるんだけど、テイトでやってる「昇也のこっそりやる会」は、今夜が初参加。
先日、第一子が無事に生まれた昇也さん。枕はやはり出産秘話(?)。若干、興奮、昂揚気味?先日の「平成20年入門東西同期会@大阪・動楽亭」での話を交えて。上方落語に受けている今の影響は、今後の“昇也落語”に必ずプラスになると思います。江戸!江戸!江戸昇也落語!
まずは、先日のグズグズ寺で下ろした「半分垢」から。相撲ネタは持っていて損はないですよね。なんせ、半年は相撲やってんだからニッポンは。いつかは師匠に「花筏」を教わって欲しいなぁ。聴きたい、昇也さんの「花筏」。
二席目は「馬のす」。ネタおろしなのに、どかんどかん受けていた。はじけていた。先日のグズグズ寺で小助六兄さんが「薙刀嫁」(薙刀傷)の中に、「崇徳院」「千両みかん」「擬宝珠(ぎぼし)」を入れて笑いを取っていたけど、昇也さんは「千両みかん」「擬宝珠(ぎぼし)」「つる」の件を入れてきた。こういうの大好き!思わず声を上げて大笑いしてしまった。落語好きでよかった!と思う瞬間。
確か、キョンキョンだと思うけど、「『馬のす』は、時事ネタも、身内ネタも、客層に合わせていろんな話を入れこめて、使い勝手が良い。寄席でも落語会でも使える。尺も自由自在にできるし」と言っていた。確か…キョンキョン。昇也さんも「馬のす」には手ごたえを感じていた模様。
次はゲスト。「ゲストらしく扱え!」とツンデレ兄貴の三遊亭橘也さん。道楽亭での勉強会「フタを開ければ……」でも飛び入りゲストで呼びつけられてたなぁ。
橘也さんは「たがや」。声が大きくて(テイトでは大きすぎ)迫力があるから、武家さんさせるとぴったり。ただ、巧いんだから、もっと自信を持って落ち着いてやればいいのにと思う。声も通るし、滑舌もいいし、雰囲気もあるのになぁ。巧さ・個性がいかされてない。なんだか、客が置いてけぼりを喰ってる。もったいないなぁ。もっとふてぶてしく、威風堂々とやればいいのに、とも思う。もったいない噺家さん筆頭。今度、一人会に行ってみようかな。
昇也さん、2席目のネタおろし。「山号寺号」。いつも書くけど、この手のポップな軽妙な噺は、ほんと、ぴったり。昇也節。落語協会の人の「山号寺号」は良く聴けど、芸協版「山号寺号」は初めて(かも)。「いっぱちさん、ドジ」ってサゲだったかなぁと思いだしながら。
〆は「ちりとてちん」。どうしても今月聴いた扇遊師匠の「ちりとてちん」とき比べちゃったけど。扇遊版「ちりとてちん」に比べたら、そりゃぁ…だけど。
でも全体的に満足。次回は10月21日(火)だそうだ。ネタ卸しで大ネタやる?ほんとに?次回も楽しみです。同じ日に鯉八さんの「おっす!キテレツ!@神楽坂」があるんだけど、昇也さん聴きに来ます。帰りは串揚げで、にごり酒を一杯だけ。日本酒、飲みたかったからー。
★マーケティングの視点★
落語家さんの場合、「自分」と「やりたい噺」が「ぴったり合う」と、とんでもない化学反応が生まれる。企業で言えば「(なりたい)企業像」と「やりたい仕事(目的?)」って感じか。今夜の「春風亭昇也」と「馬のす」は、まさにそれだった。遊雀式で聴いた時の「長命」、グズグズで聴いた時の「時そば」と「庭蟹」にも同じような気持ちを感じた。
落語家符牒で「人(にん)にあう。~にあってる」という。高座で昇也さんも言っていたが、まさに「馬のすというネタは春風亭昇也という人(にん)にあってた」んだと思う。こういう瞬間に立ち会えるから落語会通いは止められないよね。できあがった噺家さんの手練れなネタももちろん大好きだし、大感激することも多いけど、この手の偶然に出会えたときも、また感動。ライブ最高。
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