「健康寿命」という言葉を知っていますか?

「健康寿命(けんこうじゅみょう)」という言葉を知っていますか?「健康寿命」とは「日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間あるいは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と表現される期間」のことを言います。

要するに、普通に日常生活に支障なく暮らせている期間=健康寿命 ってことですかね。平均寿命には「死んだように生きている、生きながらえさせられちゃってる期間」も含まれているという事です。嚥下困難なのにチューブで栄養を流し込まれて、とりあえず脳死はしてない、栄養も摂取できているから「死んでない」という生存期間。

「健康寿命」とは2000年にWHOが公表した言葉です。「平均寿命」から介護(=自立した生活ができない期間)を引いた数が「健康寿命」になっています。

つまり、「平均寿命」と「健康寿命」との差は、日常生活に制限のある「不健康な人生の季節」を意味します。(「健康」の定義は、さておき、話を進めます)

平均寿命と健康寿命の差は、平成22年で、男性9.13年、女性12.68年となっています(図参照)。てことは、平均して男性は9年、女性は12年も、“それまでのようには健康的に生きていない状態”だってことです。

今後、平均寿命の延伸に伴い、こうした健康寿命との差が拡大すれば、医療費や介護給付費の多くを消費する期間が増大することになります。“健康に生きていない状態”が長~くなっていくよ、ってことです。

疾病予防と健康増進、介護予防などによって、平均寿命と健康寿命の差を短縮することができれば、個人の生活の質の低下を防ぐとともに、社会保障負担の軽減も期待できるのでしょうけれどもね。

でもね、単純に考えると。(もうだったら、男なら70歳でぽっくり死んでもいいんじゃん)みたいな心持にもなりますね。(そんな80年も生きなくていいから、「早く死なせてくれよ」という気持ちにも…)

出典:平均寿命=厚生労働省「平成22年完全生命表」。健康寿命=厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」。厚生労働省「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」(平成24年7月)


★マーケティングの視点★

「生きる(生命が機能している)」というのと、「豊かに生きている(暮らしている)」の差は大きいと思うのです。これだけの超高齢社会だと、死生観も変わって当然だと思います。変わりゆくのは社会や市場だけじゃないってことです。