夢一夜 一之輔・夢吉二人会@人形町・日本橋社会教育会館
古今亭今いち:「芋俵」
春風亭一之輔:「寄合酒」
三笑亭夢吉:「佐野山」
-仲入り-
三笑亭夢吉:「よいよい蕎麦」
春風亭一之輔:「子は鎹」
今年2月以来の「夢一夜 一之輔・夢吉二人会」。
今輔師匠のお弟子さん・今いちさんは「芋俵」。今いちさんのこの聴くのは二度目。造園業の枕は俺好きですよ(園芸の世界から演芸の世界に移った件)。良く通る、きれいないい声してるんだよなぁ。きっと、面白い噺家さんになると思う。信じる。
半月板の怪我から立ち直りつつある一之輔さんは「寄合酒」。
御目当ての夢吉さんは「佐野山」。グズグズ寺で聴いて以来だろうか。なので、夢吉さんは「佐野山」を聴くと必然的に松之丞さんの「谷風情け相撲」を思い出す俺。気負っちゃったのだろうか。夢吉さんにしては慌ただしい喋り方。枕も長々と、ちと冗長な印象を受けました。
ところが一転。中入り後の夢吉さん。「新潟の新発田と言う田舎の出身で~」という出自を利用しての導入も完璧に、初めて聴く「よいよい蕎麦」。これは本来の夢吉さんらしさ全開で大変に素晴らしかった。大いに笑わしてもらいました。
田舎出身でモノを良く知らないズーズー弁の二人連れが、大都会・江戸にやってきたのはいいが、慣れないこと・初めてのことだらけで、やることなすこと悪戦苦闘。蕎麦屋に入っても、食い方がわからないものだから…。
という、まぁ、夢吉さんのようなタイプの噺家さんのためにあるようなネタ。水を得た魚のように生き生きとしゃべる夢吉さん。「うぐいすの肉ですか?」とか「江戸めぇ~江戸めぇ~」といった笑いを誘う一言が憎いねぇ。ファンとしてはたまらない一席。キーワードは「よいよい」じゃなく、「とうへんぼく」に改善されてたけどね。確かに、「よいよい」よりは「とうへんぼく」のほうが、現代人には理解できる。
最後は一之輔さんで「子は鎹」。
夢吉さんの「よいよい蕎麦」が聴けた!今夜の収穫。
それはそうと落語会場で偶然の出会い。開演を座って待ってると先輩が。しかも隣の席に!わぉ!なんたる偶然!
今日の夕方ころ、先輩に久しぶりにメールをいただいて、レスした後の偶然の再開。(先輩、何か仕組んだでしょ?サプライズ狙ったでしょ?いや、、具体的にはよくわからないけれども)などと、ひねくれ者の俺は、よくも考えず感じたりもしましたが。にしても縁を感じ、大変うれしく思った次第です。俺たち、呼ばれてる!ひきつけあってる!何かよばれてる!ありがとうございました。
★マーケティングの視点★
「ここでしか売ってない」というのはマーケティング的に大変有利。夢吉さんのように、珍しい噺を得意技に持っていると強い。だから、オーソドックスに超ポピュラーに人気の一之輔さんとの会でも、互角に戦える。正面からどっかで聴いたような噺をしても、単純な一之輔さんと比較になっちゃうだろうけれども、これなら、独特の爪痕を残すことができる。
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