電車に乗っている。と必ずと言っていいほど聴こえてくるのが「駆け込み乗車はおやめください」のアナウンス。抑止になっているのか?と甚だ疑問。そこで考えてみた。「駆け込み乗車抑止のためのマーケティング」。
「駆け込み乗車はおやめください」はもう常套句、耳にタコができる。常態化している。つまり、誰も警告として受け止めない。聴いてもらえないということだ。これでは、まず話にならない。兎に角、聴いてもらわなければ話が(ストーリーが)始まらない。
●車掌のアナウンス内容を変える。標語にする
●標語は利用者・生活者から募集する。
●車掌のアナウンス内容(標語)は定期的に変える(変更する)
マナー向上に警告・啓発は不可欠だが、脅かしでは啓発にならない。抑止にならない。効かない。ようするに“聴かない”のだ。人間は基本、怖い事・嫌な事から目を背けようとする。怖い事・嫌な事に立ち向かおうとはしない。よって、怖がらせる(怖がらせすぎる)ことは役に立たない。
こういうときに効くのが「ユーモア」というオブラート(コミュニケーション手段)だ。
伝える内容は「メリット」だ。単純に言って人間を動かすのは「メリット(お得・利益・不利益)」。これを伝えることは効果に結びつきやすい。
また、すでにマナー向上の標語は募集され、告知されているが、告知方法が悪い。中吊り広告だけでは不十分だ。その点、車掌さんアナウンスはいい。生だし、ライブだし、何よりも汎用性や自由度が高い。
駆け込み乗車はおやめ下さい。では、誰もおやめにならない。そこで
●駆け込み乗車による被害、一人の迷惑行動が、いかに大勢に迷惑を及ぼすかを音声アナウンス、どぎつくない(ユーモアある)募集標語によって知らしめるのだ。
例えば、こんなアナウンス。
「『1人の駆け込み、大勢の遅延』。『1人の駆け込み、大勢の遅延』。これは世田谷区の匿名希望ケイオウ大好きっこさんからの投稿です。みなさんも、駆け込み乗車はおやめ下さい。『1人の駆け込み、大勢の遅延』。『1人の駆け込み、大勢の遅延』」
みたいに、だ。
我ながら『1人の駆け込み、大勢の遅延』にユーモアは感じないが、そこは募集してユーモアあふれるものを選定すればよい。
みんなが耳を傾けて聴きたくなるようなアナウンスにしないといけない。
「他人事ではないんだよ。自分のコトだと思ってもらわないと。あなたのちょっとした駆け込み乗車が大勢の人に迷惑をかけるんだよ」ってことを、ユーモアをもって伝えるのだ。
一方的に言うだけ(今の車内アナウンス)では、伝わっているとは言えないし、顧客とコミュニケーションしているとも言えない。マーケティング視点が大切だし、コンテンツ力も同様だ。
せっかくの「アナウンス」というチャネルが車内にはあるのだから、それをうまく使わない手はないと思うよ。
★マーケティングの視点★
電鉄各社は、考えて欲しい。安全運行とユーモアの両立は可能なはずだ。繰り返す。せっかくの「アナウンス」というチャネルが車内にはあるのだから、それをうまく使わない手はないと思うよ。
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