第73回 鳥越落語会 ~柳家喜多八即効全快祈願

三遊亭粋歌:「恋するヘビ女」
新藤茂:「定九郎(浮世絵の話)」
-仲入り-
柳家喜多八:「大川の隠居」
柳家喜多八:「うどん屋」

髪を切ったら次男に「ピスタチオ(の左側の人)に似てる」と言われた男が、浅草橋に来ました。喜多八師匠、ピスタチオ似の男が伺いましたよ。一年ぶりの鳥越落語会。去年の今頃、「第69回 鳥越落語会」の模様はこちらで。

さて、このたびは。どうしても行かねばならない理由が二つあったのです。ひとつは、主催者である石黒さんへのお礼とご挨拶(大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします。この場を借りて、改めてお礼申し上げます)。


もうひとつは、喜多八師匠の具合をこの目で確かめるため。右足を怪我し、「船橋東西寄席」に引き続き、「萬金寄席」も御仕舞いにしてしまうほどなのだ。心配にもなるわ。きょんきょんの「芸賓館」でも、激痩せ。毎年夏とか、食が細ると激痩せする師匠ではあるけど、今回のは相当心配に。

勿体つけずに、結果から先に言おう。喜多八師匠ファンのみなさん。師匠は元気でしたよ。痩せるたんびの毎度のことですが、高座に上がると流石の風格。少なくとも芸賓館の時よりはふっくらしてた。テレビだと痩せて見えるからな。確かに以前とは違って痩せてたけど、真偽のほどはわからんけど、「今日も医者に言ってきて、医者にも食べろって言われたけど、だって、しょうがないよ。食べたくないんだもん」って文句言ってたけど。安心120%じゃないけど、でも観た。俺は元気にしゃべる師匠を観たんだ。

おい、うどんや!

感傷はともかく。高座だよ高座。

ようやく聞けたよ!「大川の隠居」。

この噺って去年覚えた噺かと勝手に思い込んでいたけど、調べてみると2004年にはかけている。いつごろ覚えたネタなのか、いつか師匠に伺いたい。

これは『鬼平』の一篇を落語に仕立てた、言わば師匠の新作落語だ。鬼平ファンで喜多八ファンの俺のためにあるような話(この噺の誕生ストーリー)だ。師匠が中村吉右衛門に見えたり、見えなかったり。んなコトは、どうでもよくて。とにかく俺は鬼鬼平ファンで鬼喜多八ファンなんだ。(鬼=超、激しく、激烈に、の意味。ちなみに、盟友・落語作家 本田久作さんの新作をやったことはあるのだろうか。今夜も本田さんは聞きに来ていた。いつか師匠に伺いたい。)

実は写真にもあるように、今朝、仕事で菊川に行った際に偶然、鬼平犯科帳、長谷川平蔵の幟(のぼり)を見て写真を撮っていたんだ。それがあってからの「大川の隠居」だからな。やはり自分は呼ばれていた。相当呼ばれていた。よし。気分良し。

さらには、だ。昨日の夜、俺はうどんを喰ったんだ。うどん喰ってからの、今夜の柳家喜多八の「うどんや」だしな。よし。さらに気分良し。喜多八師匠、ありがとうござい増した。


新藤さんの中村仲蔵、定九郎話も良かった。(少し落ちてしまったが)。「中村仲蔵」を聞きたくなってしまったではないかー。特に露の新治師匠とか神田松之丞さんのやつやー。五十両ぉ〜


しっかし、だめだぜ、師匠。元気になってもらわにゃ、だめだぜ。


元気になってから高座でね、

お客さんにもね、散々ね「元気になって!」とか言われたりしたんだけれどもね、正直ね、うるせぇよ!って感じでしたよ。あたしのからだ、あたしの人生なんだからね、好きにさしとくれよと。

とかなんとかね、そんな素敵な悪態を、何度も何度も高座で聞きたいんだ俺は。

あいらぶ柳家喜多八。俺は師匠が好きなんだ。師匠の体調が速く万全になりますように。

おい、うどんや!

頼むぜ、うどんや。