柳家小太郎:「色恋根問」~「いもりの黒焼」
柳家小太郎:「かんしゃく」
-お仲入-
柳家小太郎:「粗忽の使者」
最初は、小傳次さん・柳家小太郎さんの兄弟弟子の会で初めて聞いた噺、「いもりの黒焼」。この噺の前段(導入部)は「色恋根問」と言われているもので、もてる男の十カ条について語られます。「稽古屋」の導入にも使われるらしい。
ちなみに、“女にもてる十のこと”とは…
一見栄(いちみえ)===見栄え(見場)が良いこと。ファッションセンス。おしゃれ。
二男(におとこ)====男前であること。容姿。見た目。
三金(さんかね)====お金持ち。
四芸(しげい)=====芸があること。
五精(ごせい)=====精魂込めて働くこと(精力ではないらしい)
六おぼこ========かわいらしさ(初々しさ、おぼこっぽさ)。
七台詞(しちぜりふ)==話し方、話術、会話術。口の巧さ。
八力(やぢから)====力持ちであること。
九肝(きゅうきも)===度胸があること。
十評判(とひょうばん)=周囲の評価、第三者評価が高いこと。
という「もてたい!」男の前振りがあってからの、本編「いもりの黒焼き」。馬鹿馬鹿しいけど好きな噺です。
四芸(しげい)の部分で「あっしは落語ができるんです。話芸があります。もてるはず」ってんで、そば喰いと寿限無と芝浜を混ぜた超高速1分落語を披露していたが、これは可笑しかった。
次は「かんしゃく」。
これは喜多八師匠を思い出してしまったなぁ。喜多八師匠がぴったりな噺だった。こうるさくて、滑稽ながみがみ社長の噺。小太郎さんは年を取ってからやると、もっと素敵に人となりと重なって、喜多八師匠っぽさが増すと思う。
仲入り中に、袖から出てきて、羽織のたたみ方を何通りも披露してくれた小太郎さん。三遊亭や柳家(大きい4つ)で、畳み方が違うんですね。勉強になるわぁ。
最後は「粗忽の使者」。志ん陽師匠のを聞いて好きになった噺。小太郎さんのも面白かった。巧い。
小太郎さんの巧さは、間の取り方が絶妙なのと、目の配り(動き・演じ方)にある気がしました。動物的勘、嗅覚が鋭い人なんだろうなぁ。