雷門小助六・三笑亭夢丸リレー落語会五輪終幕日篇@日暮里サニーホール

雷門小助六・三笑亭夢丸リレー落語会五輪終幕日篇

 

古今亭今いち:アーチェリーが出てくる噺⇒「やかん」

雷門小助六:射撃が出てくる噺⇒「猪買い」

三笑亭夢丸:ボートが出てくる噺⇒「舟徳」

―仲入―

雷門小助六:馬術が出てくる噺⇒「柳の馬場」 +かっぽれ

三笑亭夢丸:マラソンが出てくる噺⇒「山崎屋」

 

 

一昨年の「悶絶篇」、昨年の「一生涯篇」に続く第三弾。この手の“企画もの”、俺大好き!

 

まずは古今亭今いちさんがアーチェリーが出てくる噺として登場。古典をしっかりやる今いちさん。今までで一番、しっかりとしてた。弓矢が出てくる噺だろうという予想からして「やかん」。大正解。

 

小助六さん。射撃が出てくる噺だから、(「鰍沢」かな?聞きたいな!)と思っていると、「鰍沢はやりませんよー(苦笑)」と先制パンチ。うーん、見透かされていたか。残念。季節外れだし、大ネタすぎるしなぁ。ってことで「猪買い」。これは上方では「池田の猪買い」と呼ばれてるけど、単なる「猪買い」でよいのかな。そりゃそうだよねな。大阪府池田市に買いに行くから「池田の猪買い」なんだろうから。以前、笑二さんで聞いた楽しい噺。

 

夢丸さんは、ボートが出てくる噺⇒「舟徳」。これはもう季節だし、正解率高かったのでは。この噺は以前、夢丸さんの独演会で聞いたのかな(ネタおろし?)。そんときよりも数段面白くなってた。もう笑いっぱなし。

 

小助六さんの2席目。「あたしは汗が目にはいって舟を漕げなくなる噺なんてやりませんよ」と「舟徳」をいじりつつも、「あたしはなぜか珍品(珍しい噺)担当。舟徳だってできるんですからね」と会場の大爆笑を誘う。そして馬術が出てくる噺⇒「柳の馬場」を。この珍品、どこかで聞いた記憶があるんだよなぁ。さすがはネタの宝庫、小助六さん。「短い噺すぎましたので」とサービスで“かっぽれ”を。凛としていてきれいな踊りです。

 

夢丸さんは、トリでマラソンが出てくる噺。何かな?と思っていたら「山崎屋」だった。「舟徳」の若だんなも徳三郎。「山崎屋」の若だんなも徳三郎。これは敢えて?(徳兵衛?)

 

あと、堅物な番頭だが、実は遊び好きという設定は「百年目」と同じですね。どがちゃかどがちゃか。番頭の弱みを握った徳三郎が強請るシーンなんかは、夢丸さんの真骨頂。いきいきと。

 

噺の枕で事前に入念な説明をしてくれた夢丸さん。そうじゃないと、サゲがわかりにくいですからね。このように、決してわかりやすくも面白くもない(現代的ではない)サゲなのに、ここまで笑えて、惹きこまれるのは物語(こちらも決してシンプルではないはずなのに)の面白さでしょうか。

 

その面白さを産み出しているのが、裏表があって強請られる番頭と、若旦那の関係性がしっかりしているからでしょうね。また、それを見事に描ききる力量がなければ、ここまで面白くはならないという。さすがは夢丸さんです。

 

大満足の5席。第4弾は1/21(日)「はめもの合戦」こちらも楽しみ! #rakugo #落語