ネット社会は気軽で手軽で便利。
時間短縮にもなるし、らくちんだ。
果たして、良い事だけでしょうか?
手軽な分だけ、自己責任も
それに比例して高まっていきます。
■ようやく収束?エンブレム問題
佐野研二郎氏がデザインした2020年東京五輪のエンブレムは使用中止が決定しました。この件に関しては大会組織委員会の責任問題や、大手広告代理店を含む広告業界村社会問題など語りたいことは山ほどあるのですが、今月はこの一点に絞ってお送りします。「ネット社会にみる気軽さ・手軽さと責任の重さ。」
■「画像を拾う」って自分のものにしちゃダメ
騒動の問題点はネットで画像を検索し(googleの「画像検索」と言う機能をご存知ですか?意外と知らない人がいるのに驚きました。)、探してきた画像に少し手を加えて(加工して)、「はい、一丁上がり!」といったものづくりの手法・姿勢です。そこに罪悪感はなかったか、あるいは恐ろしく希薄だったことが想像できます。
■使うまでのハードルの低さ
ご存じのとおり、ネットは大変に便利です。情報に満ちています。図書館に行かなくても資料を探すことができますし、画像も同じです。お目当ての“探し物”をスピーディーに見つけることができます。探すだけなら、そこには申請も許可も要りません。
■文章も簡単に拾ってきちゃう人たち
コピペ(コピー&ペースト)問題は画像だけではなく、ネットからお目当ての文章を探してきて自分の卒論や論文に、あたかも自分が書きました!かのように拝借(違法です)してしまう学生や学者もいるそうです。
■使う側の気持ちが緩んでいる
他人の文章や画像を無断使用してしまうのは、そこまでの経緯があまりにも簡単過ぎるからでしょう。難しい手続きも障壁もありません。パソコンがネットにつながっていればよいのですから。みんな麻痺してしまうわけです。普通過ぎるがゆえに、敬意も恐れも罪悪感も感じなくなってきているのではないでしょうか。大変危険な行為です。文章であれば出典先を明示し、引用する。画像であれば著作権フリーのものを使うなど、気をつけましょう。というより、気を使いましょう。
■世界中とつながっているという意識を
また、ネットを通じて自宅のパソコンと世界は広く深くつながっていることも忘れてはいけない点です。ある意味、見張られている・捜査されやすくなっているわけです。陰から石を投げつけるような酷い行為(袋叩き・行き過ぎた誹謗中傷)は看過されるべきではありませんが、今回の件で次から次へとパクリ画像が暴かれていったのは“ネットポリス”等と揶揄されてもいましたが、市井のネットユーザーたちのお陰でもあります。彼らの捜査能力を甘く見ては行けません。
■便利さの対価。それが責任。
ネット社会は気軽で手軽で便利ですが、その代償、使う側の責任の重さは減るものではありません。(終)
「エンブレム パクリ問題」 ←こちらの単語で検索してみてください。