■2015年11月号 Trick or Treat 正しく捉えないと、も…


2015(平成27)年のハロウィーンの市場規模は約1220億円と推定されることが、一般社団法人日本記念日協会の調べで明らかになりました。
同市場、2011(平成23)年当時は560億円。この4年で倍増し、バレンタインデーと肩を並べる規模にまで成長したことになります。すごいですね。

■ブームを超えて定着したハロウィン
今年の秋は「ハロウィン」がマスコミでたくさん取り上げられました。来年以降も続くと思います。ハロウィンは「若い子向けの仮装イベント」の枠を大きく超え、拡大する一方です。ハロウィンは「商売のチャンス(ヒトが動く・モノが売れる商機)」として認知されたからです。


■「仮装」を超えて、なお進化中
もともと秋は商機が手薄な季節。春には新入学やお花見、夏には夏休み、冬にはクリスマスにお正月にバレンタインとそれぞれ商戦がありますが、秋は文字通り“空き”の季節でした。それを埋めたのがハロウィン。日本に導入し流行のきっかけを創ったのは東京ディズニーランド。でも当時、数年前まではハロウィンと言えば“仮装するお祭り”でした。


■各種業種が市場参入してきました
ところが年々、そのカタチを変え、今年は去年を上回る大きさで弾けました。仮装以外にも多様な業種が「ハロウィン市場」に参戦し利益を得ています。かぼちゃやさつまいもを使ったハロウィン向けスイーツやメニューで稼ぐ飲食業。仮装用の衣類・雑貨を作って売る服飾メーカーや小売業。仮装用マスカラや付けまつげ、ネイルシールといったメーク用品の売り上げも小さくありません。ハロウィン仕様のインテリアグッズを販売するメーカー・小売業も儲けたことでしょう。まさに衣食住を巻き込んでの一大祭りに成長しました。


■人間心理に合致したイベント性質
先ほど申し上げたように秋はイベントが手薄だったこともありますが、ハロウィンがここまでの一大市場に膨張したことについては人々の心理抜きには語れません。それが「みんなの輪に加わってお祭り騒ぎしたい」「非日常的な体験をしたい」「ストレスを発散したい」という欲求です。特に、都心・東京には地方の祭り・秋祭りに該当するような大騒ぎできる大規模イベントがないことも理由です。


■非日常を体験できる貴重な数日間
渋谷の街を血糊メイクで練り歩いても咎められない。そんな体験は一年を通して、この時だけでしょう。屋内の限定空間ではなくオープンエア、大都会渋谷であるという点は人々を興奮させ、祭りに駆り立てるのに必要充分です。家族で、友達同士で、恋人と等、いろいろなスタイル、関係性の中で楽しめるという点もブームを定着させた要因のひとつ。例えばクリスマスのように12月24日と限定されてはいませんし、楽しみ方にも定番がない。このようなスタイルや時期の自由度の高さも市場を拡大させることにつながっています。


■思いやりをもって行動を
一番の問題はお祭り後のごみ問題。きっちりゴミを持ち帰る、あるいは指定の場所に捨てていくというマナーを守らないと禁止事項が増えて、自分らの首を絞める事になりかねません。後の祭りとならないよう、マナーとモラルの徹底が課題です。(終)



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