■2017年07号 誰かと何かをシェアしてますか。


誰かと何かを、

シェアしてますか。

 

新たな経済活動、新しい取引のカタチ

「シェアリング・エコノミー」について。

 

■新たな経済活動「シェアリング・エコノミー」

 ソーシャルメディアの普及が進み、生活に密着した情報交換が行われるにつれて、情報交換だけではなくモノの貸し借りにもSNSが活用されはじめてきました。多数の利用者が参加することで、さまざまな交換(需要と供給、サービスと対価)の可能性が広がってきたのです。このような“貸し借り”を仲介するいろいろなサービスが登場してきていて、それらは

「シェアリング・エコノミー」と呼ばれています。

 

■「シェアリング・エコノミー」とは

 個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスのことです。貸主は遊休資産の活用による収入というメリットが、借主には所有することなく利用ができるというメリットがあります。PwC(プライスウォーターハウスクーパース。ロンドンが本拠地の世界最大級の経営コンサルティング会社)によると、2013年で約150億ドルの市場規模が、2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みです。

 

■どんなサービスが?

 空き部屋や不動産等の貸借をマッチングする「Airbnb(エアビーアンドビー)」や、スマートフォンやGPSなどを活用し、移動ニーズのある利用者とドライバーをマッチングさせる「Uber(ウーバー)」、売りたい人と買いたい人を繋げる、ネット上のフリーマーケット「メルカリ」もそのひとつです。旅行などで家を空ける際にペットを預けたい人と、それを預かる人を結ぶサービス「DogVacay(ドッグバケイ)」といったものもあります。このようにシェアリング・エコノミーにはフリマなど「モノのシェア」、駐車場・会議室・民泊など「場所のシェア」、カーシェアリングなど「移動のシェア」、労働力・技術・お金など「リソースのシェア」があります。

 

■シェアには信頼関係が重要

 知らない人同士をつなぐというのがシェアリング・エコノミー型サービスの特徴。そこでは個人と個人との信頼関係が鍵となります。しかし、利用者の口コミによるサービス評価には限界があります。そのため各サービスでは、Facebook等の既存ソーシャルメディアと連携したり、サービス独自に利用者間のレビュー評価制度を設定・導入したりして、信頼性の確保に努めています。

 

■シェアリング・エコノミーは“新しい取引”

 テクノロジーの進歩が可能にしたシェアリング・エコノミー。透明性が高い反面、信頼性には課題が多いわけですが、今まで見たこともない、これまでは理想・夢物語でしかなかったサービスが登場する可能性も秘めているわけで、“新しい取引形態”であるシェアリング・エコノミーからは、今後ますます目が離せませんね。(終)

 



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