用語解説:「さ」行

ステルス・マーケティング

ステルス・マーケティング(Stealth Marketing)とは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることです。


例えば、影響力のある芸能人やブロガーが報酬を得ていることを明示せずに、第三者的な立場を偽装して、特定の企業や製品について高い評価を行うことで、いわゆる「やらせ」であり、倫理的に非常に問題があります。


「広告」と銘打たずに、いかにも自然な記事として告知宣伝するのも問題ありで、「タイアップ広告」も、一歩間違えばステルスと認識されかねません。


この行為はユーザーを騙している点で、消費者団体などから非難を受けることがあります。また当然、「やらせ」が発覚すれば消費者からの信用を失うことにもなります。


このようなことから最近では、商品を紹介する影響力のあるブロガーは、その商品が企業から報酬を得ているのかを明示する者も出てきている。これは「ブロガー・キャンペーン」などと言われる広告手法でもあります。


大好きな芸能人が使っているから、自分も真似をして同じ商品を使ってみたいという購買動機は非常に強く働きます。しかし、それ自体が実は巧妙に仕組まれた広告戦略の一種だとしたら・・・。


クチコミ・マーケティング、バズ・マーケティングなどの手法(言葉)も生まれて、広告とやらせの境界線は、ますます曖昧になりつつあります。


ちなみに、クチコミを利用したバズマーケティングを推進する米国の業界団体「WOMMA(Word of Mouth Marketing Association)」はステルス・マーケティングに反対の立場を取っていて、倫理基準として次の3つを掲げて規定しています。


1)「関係の正直さ」:消費者に対しマーケッターとの関係や金品の授受を明かすなど

2)「意見の正直さ」:消費者に何を言うかを強制しないで、消費者の個人的な意見にゆだねるなど

3)「身元の正直さ」:消費者に対して身元をぼかしたり誤解を誘うようなあいまいな表現をしないなど


曖昧な境界線を越えることは簡単ですが、広告を企画し、実行する側の人間は、気をつけなければいけません。身元や宣伝であることを隠して消費者を騙す行為は絶対にしてはいけません。