定量データと定性データというデータの性質による分類があります。ここでは、マーケティング情報の一般的な分類方法としての、それを説明します。科学研究のケースとはまた少し異なるはずです。
定量データ
数値として把握できるデータのこと。数値データであるため、時系列や性別・年齢など顧客別に細かく加工し比較することが可能となり、あらゆるマーケ ティング戦略の基礎データとして活用されます。例えば、ショップAで買った人が何人・ショップBで買った人は何人/このバッグを気に入ったと答えた人の数 /このジュースのパッケージデザインが気になったと答えた人の数/商品の市場占有率/売上高など。
定性データ
一方、定性データは、「なぜこのお店でよく買うのか」「このバッグのどこが気に入って購入したのか」「このジュースのパッケージデザインのどこが気になったか」などのように、数値に表せない感覚的なデータのこと。消費者の購買意識などを分析するデータとして活用されます。
これまでは、定量データを中心にした分析による商品やサービスの開発で一定の市場占有率を確保することが可能でした。しかし、市場が成熟し、消費者 ニーズが多様化した今日の市場環境においては、マス(大衆)を"量で図る"ことは難しくなってきています。マーケティング要因が複雑・高度化せざるを得な い状況なのです。
そのため、「なぜこの商品が売れているのか」といった仮説検証の購買決定因子発見のためには、消費者の購買行動に関する定量データに加えて、消費行 動心理や社会行動心理といった定性データが非常に重要な役割を持ってきました。消費者行動の広さを把握するのが定量データであり、消費者行動の深さを測定 するのが定性データとも言われます。
このような定性データはマーケティング・リサーチによって収集するだけではなく、日頃からお客様の反応をチェックし、蓄積させ、それを定性データ化するような作業が必要です。