マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、ツールを組み合わせること、組み合せのことを「マーケティング・ミックス(marketing mix)」といいます。マーケティング・ミックスは、ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱した有名な分類「4P」を用いてが語られることが多く、これ自体は企業視点のマーケティングです。4つのPとは
■4P=企業視点のマーケティング
Product(製品=商品政策)
Price(価格=価格政策)
Promotion(販売促進=プロモーション政策)
Place(販売ルート=流通政策)
その頭文字をとって「マーケティングの4P」または「4P政策」といわれます。また、「マーケティング戦略」という場合にはこの4P政策を指していることが多く、マーケティングの実行段階の戦略に位置づけられます。
さらに、ロバート・ローターボ-ンによって、1993年、顧客の視点による「4C」という分類が生まれました。 これは、4Pが売り手側の視点で捉えられているのに対し、買い手側(顧客)の視点で捉え直そうというものです。4つのCとは
■4C=消費者視点のマーケティング
Customer Value(顧客にとっての価値=消費者のニーズやウォンツ)
Cost to the Customer(顧客コスト=顧客の負担)
Communication(コミュニケーション)
Convenience(利便性=入手の容易性)
また、4Pと4Cはそれぞれ以下のように対応しています。下記のようにお互いが対になるものであり、企業側の視点か消費者側の視点かどうかの違いです。
Product(製品) ⇔ Customer Value(顧客にとっての価値)
Price(価格) ⇔ Cost to the Customer(顧客の負担)
Promotion(販売促進) ⇔ Communication(コミュニケーション)
Place(販売ルート) ⇔ Convenience(入手の容易性)
コードネームでは、4P/4Cは昔の考えで、いまは「5P/5C」だと思っています。
[ 5P ]企業視点
Product(製品)
Price(価格)
Promotion(販売促進)
Place(販売ルート)
People(人々)
[ 5C ]消費者視点
Customer Value(顧客にとっての価値)
Cost to the Customer(顧客の負担)
Communication(コミュニケーション)
Convenience(入手の容易性)
Community(地域社会)
4P/4Cではなく、5P/5C。一番最後に追加した、People(人々)とCommunity(地域社会)が欠かせなくなってきていることを痛切に感じているからです。
マスでの考え方(マスメディア、マスプロモーション)が持てはやされた時代は終わりを告げようとしています。今後は個人個人の考え・立場を尊重しながらの、地域単位での地域共生・共有・共感・共育のマーケティング活動が主流になってきます。