本日、英スーパー大手テスコは「つるかめランド」や「テスコ」など129店を展開している日本事業から撤退すると発表しました。日本法人のテスコジャパンでは、「中長期的にビジネスを拡大する展望がうかがえないため」と説明しています。今後、売却先の検討に入るそうです。
英テスコは世界14カ国で約5400店舗を展開し、2011年2月期の売上高は676億英 ポンド(約8兆4,353億円)。つるかめなどの買収で日本に進出し、自社ブランドの店舗展開にも乗り出していたのにね。
同じような例で言うと、仏カルフール。ここも鳴り物入りで上陸してきたのに早々と日本から撤退していきました。
「日本の消費者は世界で最も厳しく、欧米方式をそのまま持ち込んでも受け入れられない」と指摘する人もいますが、そんなのは自明の理ではなかったのだろうか。
郷に言っては郷に従え、とも言いますし。
「コストコ」が示すように、スーパー=大量買い、スーパー=倉庫として考えているのは欧米だけ。日本人にとってスーパーといえば、=冷蔵庫でしょうね。だからこそ、日本の消費者は食材の新鮮さを強く求めるのです。生鮮食品にうるさいのだから、それが鍵を握るのは当然だろうと思う。
安かろう悪かろうでは安定した経営は無理だろうと思うのです。野菜、魚、肉が新鮮で、産地も国内で、美味しそうに陳列されている地元密着型のスーパーだけが人気と客を獲得できるのです。あと、お惣菜もね。
都内で言えば「オオゼキ」、新潟で言えば「原信」、山形県山形市で言えば「ヤマザワ」、山形県酒田市で言えば「ト一屋(といちや)」。
ある程度、日本式を導入している「西友」も、『価格安く!』なんてやっているうちは、ウォルマートに毒されているといっても良いわけで、安さだけが売りのうちは、地元の商店街やとの共存は無理だろうし、勝てるとも思えないのです。
ママでもマダムでもなく、“お母ちゃん”・“おばちゃん”たちに好かれないスーパーはダメでしょうね。テーマパークにようこそ!みたいな非日常世界を売りにしている大型スーパーもダメでしょうね。そういう点から鑑みて「コストコ」も「IKEA」も長続きしない気がします。
大型・小型に関わらず、地元の商店街で買うような親しみやすさが必要なんだと思います。それと、微に入り細に入った、痒いところに手の届く、画一的でなくケースバイケースで対応できる柔軟なサービス姿勢とサービスの実行も。
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江口 愼一 (木曜日, 06 10月 2011 08:14)
確かにおっしゃる通りだと思います。(ただし、私は、オオゼキもただ他のスーパーより少しましなだけ、とおもっていますが)
昔から、安売りでは老舗になれないと言いますし。
特にテスコは、生鮮品(特に鮮魚の刺身類)を、工場で製造するという、最大の愚を犯してしまいましたね!
これは、鮮度(店舗製造に比べて確実に、製造時刻が早いだろうし)、お客の細かい要求にも応えられないでしょう。
日本のスーパーの経営陣は、女性たちの楽しい(この感覚は、男性には中々理解できない感覚)という気持ちと共有・共感という感覚を真剣に考えたほうが良さそうです。
code-name-blog (木曜日, 06 10月 2011 10:41)
江口さん。コメントありがとうございます。
「女性たちの楽しい」感覚が重要というご指摘、同感です。
共感されないモノ(企画であれ、場であれ、商品であれ)が
市場に浸透するのは難しいですよね。
おかげで改めて気づくことができました、ありがとうございます。