■2016年08月号 『シン・ゴジラ』 と リ・デザイン。


『シン・ゴジラ』 と リ・デザイン。
もしも、現代日本にゴジラが現れたら

コンテンツのもつ吸引力。
その吸引力を生み出しているのが【共感力】。
その【共感力】の源泉が、無数の《もしも》です。


■今年見るべき映画「シン・ゴジラ」
 先日、映画『シン・ゴジラ』を観てきました。「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作した日本版「ゴジラ」映画(第29作目)であり、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明が総監督・脚本を務めています。この『シン・ゴジラ』は、これまでの28作のゴジラ映画の集大成とも呼べるもので、まさしく2016年の今だからこそ見るべき、リ・デザインの賜物のような映画でした。

■単なる怪獣映画を超えた完成度
 SFではあるものの、「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」というのがキャッチコピーのこの『シン・ゴジラ』。(今の日本、現代の状況や暮らし、政治の中に突如、巨大生物が出現したらどうなるの?)という空想というか仮定を前提として脚本が練りに練られており、単なる怪獣映画、特撮映画という枠を超え、完成度の高い映画、世界に誇れる日本映画になっていました。

■ヒットの理由は「共感力」
 観客動員数も順調で、ネットでも大いに話題になっています。なぜここまでヒットしているのでしょうか。もちろん「脚本が!」「特撮が!」が直接的な理由ですが、MRDでは【共感力】にあると思っています。

■共感力の根源は《もしも》のチカラ
 これまでの怪獣映画の設定・脚本にありがちな非日常な世界ではなく、徹底して日常に沿った描き方をしているため、映像のひとコマ、ひとコマにとてつもない吸引力がありました。その吸引力を生み出しているのが【共感力】であり、この【共感力】の源泉が製作陣が映画製作過程で、数多く投げかけたであろう《もしも》です。

■「もしも」から生まれる徹底したリアリティ
 (もしも・・・現代日本に巨大生物が出現したらどうなるの?)。そこには現時点で存在しない地球防衛軍も、特殊能力者たちの秘密結社も、勇猛果敢に一人で立ち向かうスーパーヒーローもいません。描かれているのは逃げ惑う市井の人々であり、巨大な災害に見舞われた国を動かす政治家であり官僚たちです。(もしも巨大生物が出現したら国家中枢はどうなるのか?何を考え、どんな命令系統で、どんな思考の元に対応してくれるのか?対抗策は?武器は?権限は?人々の命は?)。無数につみあがってい《もしも》と《なぜ》。それが脚本に厚みをもたらし、ヒットしている理由の根幹だと感じました。みなさんもぜひ映画館で観て、その面白さを体感してみてください。

■もしも=仮説設定。MRDの成功の秘訣。
 ビジネスシーンにおいては、この《もしも》を「仮設・仮定」と呼びます。市場や購買者を仮定し、ストーリーを仮定し、成功するマーケティング戦略を組み立てていきます。MRDでは常に、この《もしも》の力を駆使し、数多くのクライアント満足を生み出してきました。何でも、お気軽ご相談下さい。(終)


〈映画の感想〉
29作すべて観ていますが、(ゴジラよ、早く死んでくれ)と思いながら観たのは初めてです。1作目ですら、ここまでは願いませんでした。『シン・ゴジラ』は去年でも来年でもなく、2016年の今の空気の中で見るべき映画だと思います。本当に数多くの“シン”の意味を感じますし。 #シン・ゴジラ #映画 #movie




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