電子書籍。市場の喰い合いなんだもの

今日の気になった記事はこれ。

電子書籍の向かう先――主役不在で離陸せず、シャープは専用端末撤退

ガラパゴスの件は、昨日のブログで書きましたが、やっぱダメダメなんじゃん…電子書籍の巻、って感じです。

上のサイトにあるよくわかるこちらの図を見てくださいよ、この図。この覇権争いの図。既得権益攻防戦の図。「なにぃ?日本上陸ぅ?アマゾンめぇ~、来るなら来て見やがれってんだ!」の図。

 

こりゃ勝てないでしょ。日本の書籍市場はアメリカとは大きく異なるし、抵抗勢力も強いため、そう簡単に上陸してこないし、そう簡単に勢力拡大はできないとは思いますが、でも、仮に笑いながら上陸されてもおかしくないこの内情図。

特定の一社だけで、というかお互いがそれぞれ「儲けるのは、うちんとこだけじゃぁ~!「いや、俺んとこだけなんじゃぁ~」って争ってるから浸透しない、流行らない、市場が拡充しないってコトにいい加減気づかないんだろうか。

だいたい、電子書籍が流行らないのは物量が少ないし、読み取る機械は高いし、どれ買っていいか良くわからないし、どこで買うのがベストなのか(どこでも買っても同じ値段の書店式とは異なるし)、買うの面倒くさそうだし、ルールがばらばらっぽいし…とか、その辺の理由。

もちろん一番の問題は、それを助長させている覇権争いね。

利益を分配する、利益度外視で全員(大手だけではなく中小出版社、取次ぎ、出版業者、印刷会社、本屋さん、作家、編集者までも)が手を組み、全員で電子書籍市場を創る・市場を大きくするってことを考えないとだめでしょう。

いつまでもたっても「(中途半端に)資本力のあるもの頂上決戦」「上から目線で下は救わず」「自分のグループだけで我関せず」な態度だから広まらないのでは?紙の本と電子書籍で二者択一!みたいな空気も間違っているでしょう。共存できるんだし。

ハードばかりでソフトは置いてきぼり。企業ばかりで読者は置いてけぼり。「ガラパゴス」の販売終了とかから、そこんとこ学習しないと。

 ちなみに、電子書籍については、月刊コードネーム通信でも触れたことがあるので、そちら(5月号:PDF)も参考までに。日本のアメリカの書籍事情の違いなども書いています。

 

「まずは網で囲っておいて、魚を逃がさないようにしておいて、そして捕獲する」みたいに人間を魚と同じに考えていませんか、って言いたい。インターネットですよ、海とは違うんですよ。いきなりアメリカ行けちゃうんですよ、って言ういまや当然となった基本原理原則を忘れている気がする。

 

特にこういう大きなインフラについては市場を過激に食い合わずに、共有した先に見える利益確保。利益確保の仕組みを考えないと、お先真っ暗なんじゃないいのかなぁ。

 

囲まないで関係者全員集めて、みんなで仲良くルールだけ決めておいて、共通インフラを整備しておいて、ってできるはず。先に利益を!、じゃなく、後で利益を得る!って、考えてないだけできっとできるはず。

 

漁業権を争ってる場合ではないですよ、まじでまじで。「地球上に海は一つだし。世界中で海はつながってるんだし」という発想からスタートできると思うんだけどなぁ。