円丈らくご塾(第2回)

「前座、二つ目の噺家さんの新作落語道場みたいな会を開きたかった」と夢月亭清麿師匠や円丈師匠が中心になって始めたのが「円丈らくご塾」。家の近所での開催だって言うんだから第1回目も行きたかったんだけど、扇辰師匠の会があったので前回は不参加。で、満を持して「第2回 円丈らくご塾」。ついに参加してきました。

 

オープニング前説トーク:三遊亭わん・柳家小ゑん・三遊亭ふう丈

 

三遊亭ふう丈:「幽体離脱」

三遊亭ございます:「未来居酒屋」

三遊亭たん丈:「防犯システム」

柳家小ゑん:「下町せんべい」

古今亭志ん八:「理想の物件」

-仲入り-

三遊亭円丈:「藪椿の陰で」

瀧川鯉八:「藪の中」

打ち上げコーナー

 

ふう丈さんの「幽体離脱」。ホントはもっとエグイ(エロい)んだって。ございますさんの「未来居酒屋」。「もっと必然がないと…」と円丈師。個人的に割と面白かったが、物足りなさも感じた噺。その物足りなさ、爆発力のなさっていうのがこの「必然性(共感するための前提条件)」なんだなと腑に落ちた。天どん先生の解説・分析にはいつも舌を巻くのだが、その師匠である円丈師匠もやはり流石だなぁと感じた。

 

小ゑん師匠の「下町せんべい」。「30年以上前、菊池1040作『下町せんべい』を円丈がかなりアレンジして、その当時かなりやって結構受けたネタ。それを今回、小ゑんさんが小ゑん流に直してやり、かなり受けていた」とは、『無限落語』のページからの抜粋・引用。とにかく、面白かった。「新作落語を30年もやってんだから、うけて当然。若手と一緒じゃ困るんだから」とは小ゑん師匠の弁。かなり謙遜しておられたが、いやいやどうして素晴らしかったです。百戦錬磨の手練れ感、ばりばり。

 

瀧川鯉八さんの「藪の中」。4人の独白形式で、直接会話がかみ合うことなく進行するという異色の落語。円丈師には「独白形式で4人は多すぎる」と言われましたが、俺は全然行けると思いましたよ。理解できたし、噺にもついて行けたし。鯉八さんは数度目だが、いつもの鯉八ワールド炸裂で、素晴らしい読後感(聴後感?)。迷うことも有るんだろうけど、ぶれずに、このまま、独自の世界観・落語観を貫いて行ってほしい。

 

打ち上げコーナー。こんなに有意義な打ち上げは初めて(楽しい打ち上げならたくさんある)。小ゑん師匠、円丈師匠、観に来ていた夢月亭清麿師匠の落語観、新作落語に対する思い、鯉八さんの考えなどを聴くことができたから。

 

円丈師匠のおことば

●「落語とは人と人との会話」
●「落語のウケは共感」
●「何故そうなるのか理由付けが薄いと聴き手が入っていけない」
●「古典を普通にやっても共感できる要素が少ないからウケない。古典ががウケるのは現代風にアレンジしてるから。現代の要素を混ぜ込んでいるから」
●「だから、古典をやりたければ新作をやらなきゃダメなんだ」
●「人生に厚みを持って死にたい=新作に拘り続けたい」
●「合理性を裏打ちしよう」

●「場面が多過ぎるのはダメ。せいぜい3場面」
●「(新作の設定として)SFやファンタジーは難しい、ウケない」

●「鯉八は円生を目指しているのかw」
●「鯉八さんは(今病気で休んでいる兄弟子・春風亭)鯉枝さんを彷彿とさせる。会話のズレに面白さがある」小ゑん師匠

 

鯉八さん談話。「無機質に、かみしも切らず噺を進めたい」「声を張らずに噺をしたい」「好きなのは(理想としているのは?先代の春風亭)柳好師匠」。あとは個人的にお開きになった後、清麿師匠と話しこんでいた(上記写真)、その内容が知りたかったです。

 

などなど。これで打ち上げ代500円ですよ。5,000円出したって、こんな話聴けないよ。最高にラッキーだった。散会の後は先輩と代田橋まで行って餃子とビールで呑み直し。

 

今日は立川談笑一門弟子勉強会@高円寺・庚申文化会館、第72回朝也の会@黒門亭、柳亭左龍・柳家甚語楼二人会@日本橋亭、扇辰一門会@高円寺・ノラやHACOを蹴ってまで、「円上らくご塾」@明大前に行ってよかった。あー楽しかったぁーーー

 

ちなみに、第1回打ち上げ券アリの「円丈らくご塾」はこちらにレポートが。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    やまちゃん (火曜日, 30 7月 2013 17:44)

    レポート楽しめました。
    第一回目の円丈らくご塾には行ったのですが、2回目に行けず
    悶々としておりましたが、このレポートで行った気分になれました。
    円丈師匠のおことばがいいですね。
    とにかく、読みやすくポイントも押さえたレポートありがたきしあわせです。
    ちょいちょいブログみにきます。

  • #2

    このブログを書いた人 (水曜日, 31 7月 2013 00:31)

    やまちゃん さん

    個人的に楽しめたときは筆も走り(キーボードが唸り)、饒舌になってしまいます。逆に書くことがでてこない(筆が止まり、キーボードが鳴らない)ときは、=遠慮がちなときです。つまり…なとき。

    本当なら毎日、なにがしかの寄席・落語会に行って、毎日ブログ書きたいんすけどね。なかなかどうして、THE現実が…。兎にも角にも、コメント、ありがとうございます。うれしいです。