第25回 あかぎ寄席

「紀の善」で今年初の氷を頂戴し、涼を得てからへてから、先月に続いて今月の「あかぎ寄席」@神楽坂。

昔昔亭A太郎:「大工調べ」

神田松之丞:「真景累ヶ淵 宗悦殺し」
-仲入り-

鏡味味千代:太神楽

立川こはる:「鰻の幇間」

 

A太郎さんは「大工調べ」。先月の「船徳」リベンジも視野にあったらしいが、俺含め先月「船徳」を聴いた客が複数人居たため、(予定通り?)「大工調べ」を。啖呵は割と淀みなかったが、もっと聞き取りやすいはっきりとした口調だともっと良かった。どうしても他の名人真打、志ん朝辺りと比べられてしまうのは「大工調べ」の性だろうと思うので、もっと稽古して、どんどん良くなって行けばいいなぁと感じた。

 

松之丞さんは「真景累ヶ淵 宗悦殺し」。圓朝師の逸話などためになる枕から一転突入。いやー、怪談噺。殺人噺。最高ですね松之丞さんは。雰囲気たっぷり、オーラたっぷりで、なんか高い所で空気をまとっている感じ。観ていて引き込まれることはもちろん、観ていて気持ちいい。小気味いい。ただ、残念なのは8月の「第14回 松之丞百席」でも、この噺をかけるんだとか。できるだけいろんな噺を聴いてみたい。あ、俺が他の会にもどんどん足を運べばいいだけか。

 

味千代さん。故・玉川スミ師匠の形見分けの着物や当時の高座での話などから太神楽。めでたい口上とともに、さまざまな技を繰り出してくれる。惜しむらくは拍手のタイミングがわかりにくいこと。すべての技に於いて「はいっ!(ここで拍手よ!)」と催促してくれると助かる。

 

こはるさんは「鰻の幇間」。そんなに多くはないけれども、こはるのさんの高座は数回聴いている。が今回の「鰻の幇間」は、今までの中で一番良かった。こはるさんに合っていた。しっくりきた。噺が始まった瞬間に「あぁ、これは巧く行くし、安心して聴けるな」と感じた。ただし、俺の

「鰻の幇間」基準は喜多八師匠のそれなので、それを越えるべくもっと頑張って欲しい。お酒や鰻の食べる仕草が、(噺の中ではまずいていではあるけれども)美味しく感じる方がもっといいよなぁとも。

 

いろいろ書いたけれども、このあかぎ寄席。毎月、毎月、くせになりそう。来月も再来月も行ってしまいそう。いたちやさん、がんばってください。応援しています。いい落語会だと思いますので。