白金寄席“祝真打昇進!落語と浪曲の会”

白金寄席“祝真打昇進!落語と浪曲の会”

三遊亭ふう丈:「ビニール傘」
三遊亭天どん:「品川心中」
-仲入り-
玉川奈々福:「仙台の鬼夫婦」with 三味線・沢村豊子師匠

開演に間に合わないかも…という予測は大きく覆され、1800過ぎには現地着。駅から迷いまくるも、なんだかんだ言って、先生より早く会場入りするとか。開場を見渡し、少したじろぐ。だってシニア率がハンパない。中央の畳席を避けるように部屋の周囲をぐるりと囲う椅子席のシニアたち。誰も畳席には座りたがらないのだな。俺の歳で、俺史上稀に見る、物凄いアウェー感。

 

前座・ふう丈さんは「ビニール傘」。黒門亭でかけたときは大うけでしたが、今日のお客さんには…。

ふう丈さんが「おあと、天どん兄さんの新作をお楽しみに」って言うから「なんだろう?『老後が心配』とかかなぁ」などと話していたら、な、なんと!先生は三遊派(三遊亭系統)に古くから伝わる郭噺(くるわばなし)の大ネタ「品川心中」。しかも、「上」でサゲずに、「下(最後)」まで。これは珍なり。感なり。ありがたや。得した気分。

生まれて初めて生で聴く浪曲。生まれて初めての奈々福さん。生まれて初めての沢村豊子師匠の生三味線。ただ、どっちかというと俺は正直なところ、沢村豊子師匠の生三味線に惹かれていた。でも奈々福さんは肌に合った。外連味あるし。「女性講釈師はいまいち、俺の肌に合わないなぁ」と以前感じた時とは明らかに違った印象。女性の噺家さんも講釈師さんもあまり好みではないのだが、浪曲師は違うのか?も?

吠える天どん版品川心中。しなる豊子の太棹、うなる豊子のバチ。ともに堪能ナイトでした。