負けてたまるか『柳亭小痴楽vs神田松之丞』@道楽亭

負けてたまるか『柳亭小痴楽vs神田松之丞』@道楽亭

オープニングトーク
柳亭小痴楽:「宮戸川」
神田松之丞:「慶安太平記 鉄誠道人」
-仲入り-
神田松之丞:「佐野山権平・情け相撲(谷風七善根)」
柳亭小痴楽:「佐々木政談」

オープニングトーク。雷太さんの気真面目さ(本当に新作やるの?古典道をひた走って欲しいです)。芸協若手二ツ目11人による新ユニット「成金(仮)」(※)の話。11人の仲の良さと言うか、絆と言うか、熱き大同団結心、ライバル心と言うか、いろんな気持ちが少し垣間見れてファンとしてはうれしい気持ちになりました。会社みたいに落語会にも妬み嫉み、同窓の輪とか、いろいろあるんスねぇ。ますます応援しますよ!

※:芸協若手二ツ目11人による新ユニット「成金(仮)」=昔昔亭A太郎/桂宮治/三笑亭小笑/笑福亭羽光/瀧川鯉八/春雨や雷太/春風亭柳若/柳亭小痴楽/神田松之丞/春風亭昇也

小痴楽さんの「宮戸川」。久しぶりなんでーと蔵出し。聴くの二度目。前よりこなれていました。

連続物こそが講談の醍醐味だという考え方の松鯉師匠。もちろん一門の必須課題は連続物。松之丞さんの1席目は「慶安太平記 鉄誠道人」。「慶安太平記」は全19席で、そのうち「鉄誠道人」は14席目なんだそうです。由井正雪が金集めのために鉄誠道人を騙して殺してしまうという話。相変わらずクライマックスと言うか、カタルシスがあるのが松之丞節。ふてぶてしさ、豪胆さ、面の皮の厚さが松之丞さんの高座の素晴らしい所です。今夜も高座を支配していた。熱演が過ぎてエンディング直前に釈台を落としてしまうというハプニングも。これもまた良し。

二席目の松之丞さんは一席目の暗さを晴らすかのように楽しい枕(いつもながら、素晴らしい。だって必ずゲラゲラ笑っちゃう)から短めの噺をーと「佐野山権平・情け相撲(谷風七善根)」を。あかぎ寄席以来。時間を気にしてか、伸びやかさには欠けた。

小痴楽さんは「佐々木政談」をネタおろし。ぶっちゃけ笑いの量は全然だったけど、小痴楽さんがこの手の古典をかけるとなぜか安心する。いつもながら1年後2年後20年後に大いに期待。

対決シリーズでは、松之丞vs鯉八、松之丞vs夢吉 を実現させてほしいなぁ。これだったら確実に打ち上げまで参加するのに…。