特別企画公演 ほほえみ残暑見舞い「白酒の裏切り」~おはよう新作、おやすみ古典~

特別企画公演 ほほえみ残暑見舞い「白酒の裏切り」
~おはよう新作、おやすみ古典~

三遊亭しあわせ:「転失気」
古今亭駒次:「生徒の作文」
林家正楽:紙切り
古今亭文菊:「紙入れ」
柳家権太楼:「代書屋」
ロケット団
柳家三三:「看板のピン」
三遊亭白鳥:昔なら禁演落語入り決定のネタおろし新作「(タイトル不明)」
-仲入り-
アサダ二世:奇術
蜃気楼 龍玉:「たらちね」
翁家 和楽社中
桃月庵白酒:「寄席よりの使者」ネタおろし新作



前座はしあわせさん。「転失気」。円丈らくご塾で新作を聴いた時の方が面白かったなぁ。でも前座ですからね。古典、頑張って!

駒次さんは「生徒の作文」。何度聴いてもおかしい。鉄道んとこの件が好き。9/18 (水)のささはた寄席~駒次地元落語会。行きたいのになぁ。いつになったら行けるんだ、ささはた寄席~駒次地元落語会。

正楽師は紙切り。いつもリクエストしたいと思いつつも躊躇。そして、いつものように言えず仕舞い。「ドラゴンボール!」とか大の大人が叫ぶのも気が引けるし。いつか季節感たっぷりのリクエストができる大人の中の大人になりたい。

久しぶりに観た文菊さん。「紙入れ」をそつなく。たっぷり聴きたいけど、まぁ、巧いのがわかってるから、しばらくはいいや。意外性がないと言えばないのが残念。贅沢な物言いだけど。ものすごく巧すぎるが故の欠点。

権太楼師匠は「代書屋」。可笑しさで言うと先月、スタジオフォーで聴いた才紫さんの「代書屋」の方が…。ま、そういうことって往々にしてあるよね。好き嫌いもあるしね。

ロケット団。三浦さん(右側の人)は同じ山形県出身者だから無条件に好き。もちろん、漫才もとっても巧い。ネタも独創的で、何度聴いても飽きずに笑っちゃう。

三三さんは「看板のピン」。丁寧だよなぁ、語りもストーリー進行も。こちらも文菊さんと同じ系統。いつか三三さんを聴きたくなる日が来るまで、じっと機会を伺っておこう。

白鳥さん。普段よりはパワーの感じない枕。が、あにはからんや。噺にはいるとぐいぐい引き込まれていく。だって、テーマが禁断のTN家。これ、昔なら禁演落語入り決定のネタおろし新作だぁ。これ、「隅田川母子」というタイトルなの?ま、それはいいとして。正直言って、今まで聴いてきた白鳥新作の中で一番笑った。だって、今まで誰も演ったことのないような新作落語なんだもの。白鳥師しか考えないし、噺にしようなどとも思わないと思う。怖いもの知らずの師ならでは。師の真骨頂がそこにある。素晴らしい。焼きとん食べながら、ホッピーが呑みたくなった。

アサダ先生は奇術。超超久しぶり。もっと観たかったけど、全体の中ではやむなしか。やむなしなのか。

龍玉さんは「たらちね」。俺、こういう本格派の真打が、いわゆるこの手の前座噺ってやつをしっかり丁寧に演ってくれるのって好きだ。むしろ大好き。この手の企画落語会があってもいいと思うなぁ。それよりも何よりも今度の主任興行が楽しみだ。行きたいんだけどな。行けるかな。

翁家 和楽社中。最高のマンネリ。俺が観るといつも同じだけど、このパターンしかないのかな。

以前、(新作を)円丈師匠に薦められてたけど、円丈グループに入れられるのが嫌で止めた、みたいことを言ってた。そんな白酒さんはネタおろし新作「寄席よりの使者」。川柳川柳師匠を知らないと楽しめないという条件付きだけど、川柳師へのリスペクト&ラブに満ちていて俺は前の客とともに大笑い。久しぶりに激笑した。

「ガーコン」で戦争の悲惨さを訴え、シリアとアメリカの戦争を酔っぱらった川柳師匠が止めてしまうという、スケールの大きなストーリー。シリアのアサド大統領や、戦争屋どもにも聞かせてあげたい。ストーリーの冒頭部分は「サボテンブラザース」からの拝借フォーマットだな。面白いから許す。白酒さんの歌も聴けたしね。

さては。枕で白酒師が笑いながら冗談めかしながら「この(風変わりな)新作の会の(脇を固める?成功させる?)ために、この顔付けにした。若い時間帯に権太楼を配置した」と言ったとき、なんかゾクゾクした。かっけー!軍師・墨攻のようだったぜ、桃月庵。最高だ、桃月庵白酒主任興行。実現させた鈴本のお席亭、きっかけをつくったキョンキョンにも感謝。

 

追記。9/10(水)。14:40

白鳥師の噺、『隅田川母娘(すみだがわおやこ)』らしい。漢字はこれ。鈴本の中の人がつぶやいてたから確実。