第24回新宿亭砥寄席ピーチ&ドラゴン 扇辰・白酒二人会@新宿文化センター

第24回新宿亭砥寄席ピーチ&ドラゴン 扇辰・白酒二人会@新宿文化センター小ホール

林家扇:「ざるや」
桃月庵白酒:「浮世床~将棋・本」
入船亭扇辰:「三方一両損」
-仲入り-
入船亭扇辰:「千早ふる」
桃月庵白酒:「木乃伊取り」


扇ちゃんは「ざるや」。以前、まだ前座の頃にも「ざるや」を聴いたけど、そん時のほうが良かった。今日は二つ目なんですぜ!な感じで慣れてきた口調と言うか、滑舌も今一つで、言葉が流れてしまっていたなぁ。気構えを感じる切符の良いおあねえさんな感じに成長すると勝手に信じているので、もっと稽古して頑張って下さい。応援しています。


白酒さんは「浮世床~将棋・本」。この噺、学校寄席でかけて先生に「ドモリで笑うとは差別を助長しかねない」と叱られたそうだが、過剰反応だよなぁ。そこが見せ場、笑い所なんだし、そんなんで助長する差別なんか、教師がしっかり教育すれば充分対応可能だよ。なんでも他人のせいにするのは今の教育現場の悪い所だ。話がそれた。「太閤記」を読むところのしどろもどろ加減が、白酒さんのは絶妙過ぎて最高級品。誰も負けない面白さじゃないかな。毎回書いてるが、おっちょこちょい、粗忽者、うっかりさん、酔っ払いを描かせたら、白酒さんの右に出る者はいるだろうか。いや居ない(反語)。面白すぎた。源さん最高。

扇辰師匠の「三方一両損」。江戸っ子風情がありありと描かれ、楽しい噺と言うより、緊張感のある痴話げんか、ちと怖いとすら感じてしまうのは、演技が高度なゆえか。

仲入り終わりかけ。扇ちゃんが登場し、扇辰・白酒両師のサイン入り色紙のプレゼント発表を。「今日は新宿ってことでやりたい物まねがあります。倖田來未のモノマネをやるやしろ優をやります~」と。確かに似ていた。それにも増して、大勢の客の前で緊張することなく、すらすらとしゃべり、緊張した風も見せずに、会を進行させる手腕と舞台度胸に惚れた。次に出てきた扇辰師匠も「扇は、司会進行が似合う」と一言。言外に(そんなことが得意にならねえで、噺を上手くなりなよ)という想いが垣間見えたのは俺だけではあるまい。

扇辰師は「千早ふる」。丁寧な語り口、落語っていいよなぁと感じさせてくれるのはいつも扇辰師匠。現代的なくすぐりが笑いが散りばめられているわけでもなく、どかんどかんと笑いが起きるわけではないのだが、安心して落語を楽しめる。だから好きだよ、扇辰師匠。9/23 (月)の「扇辰日和vol.49」@なかの芸能小劇場も、滅茶苦茶楽しみなんすよー。

白酒さんはトリで「木乃伊取り」。この噺に出てくる「角海老」。新宿文化センターに来るときにあるんだよね。新宿五丁目東の交差点の所に。角海老ビル。それを見てきたから「木乃伊取り」に決めたのかな?と思ったけど、真意はわからず。

清蔵の酔っ払い部分が噺のクライマックス。当然、白酒師匠の独断場、真骨頂、得意技の決め技の、自分ちの庭の、持ちネタ。もうゲラゲラですよ。楽しい気持ちで閉幕。流石です。最高です。10/18 (金)の通ごのみ「入船亭扇辰・桃月庵白酒」二人会@人形町・日本橋社会教育会館も行くぜ。予約済みだぜ。白酒さんの独演会にも行きたいんだけど、チケット取れなくねぇ…。

扇辰師匠は「ドラゴンです(苦笑)」といまいち、乗り気じゃなかったようだが、俺は可愛くていいと思いますね。ちなみに写真は「邪神ハンターピーチドラゴン」。魔夜峰央先生のエロ系漫画。名前だけで、今回の会には一切関係ありません。思い出したので載せてみただけです。

 

兎にも角にも、台風で中止にならなくて良かった。扇辰・白酒両師とも「中止になれー」と思っていたらしいけれどもー。