扇辰日和Vol.49@なかの芸能小劇場

扇辰日和Vol.49@なかの芸能小劇場

春風亭一力:「牛ほめ」
入船亭扇辰:「恵比寿の鯨」
-仲入り-
早苗ネネ:歌唱ショー(和歌の歌)
入船亭扇辰:「妾馬」


古今東西、いろんな落語会チラシがあるけど、この「扇辰日和」のグラフィックデザインが最も好きです。扇辰師匠らしさ・会の雰囲気を見事に表現していると思う、素晴らしい。毎回毎回楽しみです。

開口一番、一力さんは「牛ほめ」。以前聴いた時よりも巧くなっていた。当たり前か。独特の顔、独特のしゃべりかた(息の抜け感)。一度聴いたら忘れないインパクト。

扇辰師匠は「恵比寿の鯨」。この噺の経緯は、こちらにて。原作者・落語作家の本田久作さんもいらしてました。

俺は「美味しそうに呑んだり食べたりできる噺家さん(仕草が巧い人)」は無条件に惹かれていくのですが、扇辰師もその一人。さすがに鯨鍋(通称:恵比寿じーる)を食べるシーンは初めて観ましたが、いや、この仕草の美味そうなこと美味そうなこと美味そうなこと美味そうなこと美味そうなこと美味そうなこと。6回繰り返すくらい美味そうで。次の予定がなくて夕飯前だったら、確実に、どっかで鍋料理を選択するところでしたよ。

噺の方。それにしても枕のヱビスビールや符牒の話が本編への振りだったとはねー。なるほどねー。プロの落語作家にはなろうとは思っていないけど、「人生、一度くらいは噺家さんに自分の書いた新作落語をかけてもらって、客にうけたり、客を泣かしたりしたい」と考える俺としては、大変参考になりました。

ちなみにビールを呑んだ時の一言目。扇辰師は「かぁぁぁぁーー」なようですが、俺は「くぅぅぅぅーー」です。まぐろ(赤豆腐)は知ってたけど、おかみさん(大黒)は初めて。麦般若も、いいネーミングだなぁ。「ももんじ屋」も初めて知りました。勉強になったわぁ~。

ネネさんは和歌の歌を数曲熱唱。世代的にマッチしない、名前は聴いたことがあっても歌は聴いた経験なし、もちろんテレビで観たこともなしなので、(歌が上手いなぁ)という感想くらいしかなく、それ以外では(あぁ、こんな生き方にも憧れちゃうなぁ)と。アンケート用紙にも書きましたが今度は「太田裕美」さんを呼んでください。「三K辰文舎(さんけいしんぶんしゃ)」でもフォークソングを歌ってるようですしねー。


最後。殿様の噺をし出したから俺はてっきり(お!「恵比寿の鯨」の次は「目黒のさんま」か)と喜色ばんだのでした。結果は「妾馬」。

八五郎と殿様の件でげらげらと笑いを取る方向性のもっていき方のほうが俺は好きなのですが、やっぱりね。扇辰師ですからね。渋く決めてくれました。最前列のご婦人は目頭を押さえてましたな。

次回は12/7 (土)夜とのこと。その日は午後から「師匠と弟子三人寄れば一門の智恵 柳家さん喬一門子弟四人会@霞が関イイノホール」なんだよねー。夜の部に行くことができる体力が残っているだろうか…。