第1回さより寄席@久が原

新しい地域寄席が誕生。その名も、『さより落語会』。記念すべき、第1回目の出演者は「林家はな平」さん。割烹・小料理「さより」の隣の特設会場。15名様くらいで満席の手作り空間。イス席。(結局、20名は参加したのでは?)


林家はな平:「牛ほめ」
林家はな平:「初天神」
-仲入り-
林家はな平:「片棒」


軽く「牛ほめ」。はな平さんとしては“お客様のご機嫌をうかがう”軽い噺。のつもりだっだだろうが、そうはならなかった。ここは地域寄席。落語ビギナーの方が大半を占めていたのだ。寄席通いが常の落語好きの集団ではなかった。およそ、その真逆だったと言っていいだろう。しかも、ありがたいことに、みんな「落語が聴きたい!」という涙が出るほど前のめりなお客さんばっかりだった。

その感動的(?)なシーンは「牛ほめ」のサゲで起こった。はな平さんが普通にサゲた。「おじさん、秋葉さまのお札をお貼んなさい。穴がかくれて屁の用心になるでしょう」。

その途端、観客席(ってほどの席でもないけど)のあちこちからから「おぉ!」という感嘆の声が漏れたのだその「おぉ!」は、つまり(なんて上手い落ちなんだ!)って意味の「おぉ!」でした。これには高座のはな平さんも苦笑。打上で聴いたら「却って、恐縮しちゃいました」とのこと。そうでしょうそうでしょう。

「牛ほめ」のサゲで感嘆されることなど、滅多にあることじゃないでしょう。その場に居た俺も、なんだかほっこりしてしまいました。

(これは相当なビギナー集団だぞ)と、はな平さんも感じ取ったのでしょう。二席目は「初天神」。これがまた良かった。打上で伝えました。「ぜひ、短縮バージョンではなく、本寸法でフルフルな初天神を聞かせて下さい」と。はな平さんは子どもが似合う、上手い。ご本人は「息子じゃなく、父親のほうで笑わせる一之輔兄さんは凄い」とおっしゃっていましたが、それはそれ。はな平流の初天神をこしらえて仕上げて行けばよいのだと思います。みつ団子を喰う仕草が、ウケにウケていましたね。

最後は御得意の「片棒」。俺の大好きなはな平さんの「片棒」。場所が場所だけに、振りきることが難しかったのかもしれませんが、もう少し大きな会場で、大きな声で、振りきったバージョンの「片棒」を聴きたい。こちらもわかりやすく、一番受けたのは次男の件。わっそぉわっそぉわっそぉわっそぉのシーンや、父親がからくり人形になるシーン。何度聴いても楽しい噺。

会場の撤収は、設営以上にてきぱきと疾風雷神のごとき素早さで、あっという間に原状復帰で撤収完了。みんな、なる早で呑みたかったんですよねきっと。

お酒が入って打ち上げも大盛り上がり。(そろそろ中締めに~)と誰かが言いださないと延々と呑み続けることになっていたでしょう。席亭の先輩、「さより」のお母さん、場所を提供してくれた鈴木のママ、地元の人たち。お客さん。はな平さん。みんな、ありがとうございました。俺は席亭じゃないけど、席亭補佐(ぱしり担当)として感激した次第なのであります。※話に夢中になり、打ち上げ写真1枚も撮れなかった…。

2回目はいつかな。来年2月かな。冬が終わる前にやりたいけど、あそこの会場寒そうだしな。。。

席亭(発起人)が先輩という事で、席亭補佐(ぱしり)を仰せつかって、今日の日となりました。手作り落語会って大変だけど、面白い。良い経験ができました。発起人は無理でも、お手伝い人ならいくらでもできるなぁと感じた「さより寄席」でした。