第15回グズグズ寺

第15回グズグズ寺@らくごカフェ

春風亭昇也:「初天神」
春風亭柳若:「鮑のし」
-仲入り-
昔昔亭A太郎:「結雛」
神田松之丞:「赤穂義士伝 赤垣源蔵・徳利の別れ」


地元母校へ凱旋公演している三遊亭小笑さんは今回欠席。講演タイトルは『母校で落語をやってみる』だそうだ。そのせいか、なんかみんな暗くない?小笑さんてムードメーカー、みんなをつなぐ潤滑油みたいな存在なのでしょうね。そんな、なんとなく重い雰囲気の中、15回開催。(前回の大入りに比べるとお客さんの入りも…。昇也さん曰く「これが本来のグズグズ」とのことですが、がんばれグズグズ寺!俺は応援し続けるぞ。


でトップバッターは昇也さん。学校寄席の枕から「初天神」。子供が上手い。飴をほおばってしゃべる仕草が凄い上手い。ただ、みつ団子のみつをしゃぶる仕草は、もっと大袈裟な音でしゃぶり舐めたほうがもっと受けると思いました。「習ったところまでしかできません」という事で、みつ壺にみつ団子抜きの白団子を二度付けするところまで。先日のはな平さんのときと同じ感想。もっとふるふるで聴いて見くなりました。

柳若さんも学校寄席の枕から、小笑さんの話で、「鮑のし」。申し訳ありませんでした。今日は疲れまくっていたので、がんがんに舟を漕いで仕舞いました。ごめんなさい、柳若さん。

A太郎さんも学校寄席の枕。寄席なら枕が被っても常連さん、落語通たちが眉間に皺を寄せるのかもしれませんが、俺は大歓迎。あと講談「青龍刀権次」を習ってる話。「みのりがねぇ」と言う松鯉師匠の口癖(?)頭から離れません。いつ聴いてもA太郎さんの枕は面白いのですが、今夜の「ラグビー部時代、首を鍛えていた。僧帽筋が盛り上がりすぎて仇名が『▲(三角)』だった」という話に特に大笑い。アルバイトの話から新作落語「結雛」へ。鯉八さん同様、A太郎さんも、A太郎ワールドで新作を創ることができる稀有な噺家さん。

全体的には冗長な感じでしたが、too muchなほうが、何か不足しているよりはいいのかも。面白い新作でした。「面会」も面白かったけどこの「結雛」も相当にイケル!

「名作殺しと言われる私ですが」と謙遜の松之丞さんは思い入れのあるという「赤穂義士伝 赤垣源蔵・徳利の別れ」を。過度の謙遜は嫌みに聞こえますよ、とアドバイスをしたいくらいの腕前の好男子講談師。小癪な講釈師。ご自身も兄弟をお持ちだからなのだろうか。二人兄弟の父親の俺としても、親目線でこの兄弟の切ない噺を聞いていました。「げんぞう(源蔵)」という名前に思いれのある俺としてもね。勢いや派手さ、外連味はないものの、かえって(こういう噺もできるのね)と感じました。


晴耕雨読。晴れもあれば雨もある。次回、第16回グズグズ寺は、12月18日(水)。演目は

三遊亭小笑:「禁酒番屋」(小笑エキスがにじみ出るんだろうな、また)
神田松之丞:「三五郎の再会」(「畔倉重四郎」全19話のうち8話目)
春風亭柳若:「蒟蒻問答」(師匠鯉昇の「餃子問答」を超えるか!)
春風亭昇也:「弥次郎」(この手の軽妙ポップな噺は昇也さんにぴったりなはず!)

これは楽しみだぞ。(写真は、らくごカフェ帰りによく立ち寄る「三幸園 白山通り店」の餃子)