第0回ねただし前座@お江戸上野広小路亭

第0回ねただし前座@お江戸上野広小路亭

立川寸志:「粗忽の使者」
立川笑二:「猪買い」
-仲入り-
立川らく人:「茶の湯」
立川がじら:「死神」
エンディングトーク:4人



2011年入門の同期4人の会「第0回 ねただし前座」。前座同士で集まって研鑽の会。いいじゃない。小屋(寄席、定席小屋)を持たない自由な立川流だからできることなのか?縦社会が嫌いで、徒弟制度に馴染めない50%ダメな大人の俺にとっては、このような型破りの試みは大歓迎。批判的な人もいるの?居たっていいじゃん、至って健全じゃん。などと思うのです。いいぞいいぞ、もっとやれ!俺は流派で選り好みはしないけど(客の俺にとっては流派など不要)、馬鹿にするような流派なら、そっちがダメなのでは?思考硬直になっているのでは?と思うがねぇ。

久しぶりだね。寸志さん。キウイさんか誰かの会で、ここ広小路亭で観て以来かな。そんときに(なんて達者な前座さんだ)と思ったこと、俺は忘れていません。で、俺の大好きな噺「粗忽の使者」。相変わらずいい声、口も良く回る。噛みもしない。立て板に水。だけど、ちと前半駆け足。一本調子なところがなぁ。下手な二つ目さんより、よっぽど巧いんだけどねぇ。

言わずと知れた笑二さん。実体験を基にしたおもしろ枕(吉原初体験。しかも本寸法。さらに真田小僧、非本寸法15分バージョン噺@吉原)から「猪買い」。上方落語では「池田の猪買い」。顔立ちが顔立ちだけに(俺、褒めてます!)、この手の田舎な人の噺がハマるハマる。ズーズー弁が微妙にウチナーグチ(沖縄口・沖縄弁)になってたのも、これまた趣やよし。手ぬぐいを鉄砲に見立てるという珍しい所作を体験できました。吉笑さんとの二人勉強会にも行ってみたいんですよねぇ。

こちら初めて体験する立川らく人さん。四日前に覚えたという「茶の湯」。小ネタ挟み込みまくりで笑えるんだけど、なんというか挟み込み過ぎ?ふわふわしてて、その場の笑いをガンガンに拾いに行ってる落ち着きのなさが落研な印象。噺全体が見えてこないと、ちょっと…という感じでした。

がじらさんも初めて。落語に対する思いがいっぱい詰まって、いっぱい詰まりすぎて、「今日だ!今日こそ吐き出すぞ!」という想いが感じられる講義調の枕からの「死神」。うーむ。

エンディングトーク。もっとも手練れの笑二さんが一番しっかりしているというか、芸を芸と捉えているというか、将来を見据えているというか。談笑師匠の教えの賜物なのでしょうきっと。その後を追うのは談四楼師匠のお弟子さん・寸志さん。「集まれ!前座さん応援団~未来の名人を聴け!」通算第11回@道楽亭にも行きますぞ!なんたって、三遊亭わん丈・瀧川鯉○・立川笑二・立川寸志という俺の大好き前座4人衆ですからな。欠かせませんな。

兎に角、(ちょっと、これはどうなのよ…)と言いたくなってしまうって事は、前座さんという事を忘れて本気で聴きいってしまったということで。0回で終わらず、10回20回と続けて行ってほしいものです。80%くらい埋まった客から「続けてやってくれ!」と声がかかり、みんなで拍手した事実を、ぜひとも受け止めてほしいものです。