第16回グズグズ寺

第16回グズグズ寺~寺入り前~

三遊亭小笑:「禁酒番屋」
神田松之丞:「三五郎の再会」(畦倉重四郎)
-仲入り-
春風亭柳若:「蒟蒻問答」
春風亭昇也:「弥次郎」


いろいろ模索しているのでしょうか。オープニングトークはなし。

開口一番は小笑さんで「禁酒番屋」。俺が考えるに、この噺はなんとかして第一番屋を通過しようと創意工夫する酒屋スタッフたちと、それを「吟味致す」と「ご同役、実にどうもけしからん奴らだ」とかなんとか言いながら阻止する者たちのドキドキお間抜けサスペンスです。番頭バーサス番人。ドリフの志村よろしく、どんどん酔っぱらってしまう番人の姿、次第に酷くなって行く酩酊状態が笑いのツボなわけで…。小笑さんには、そこんところを今後期待したいです。

松之丞さん。今回は俺の大好きな「畔倉重四郎シリーズ」から、第8話「三五郎の再会」。高座で9話目と言っていましたが、これは8の間違いでしょう。

 「畔倉重四郎」(全19席)
01話目:「悪事のなれそめ」
02話目:「穀屋平兵衛殺害の事」
03話目:「城富歎訴」
04話目:「越前の首」
05話目:「金兵衛殺し」
06話目:「栗橋の焼き場殺し」
07話目:「大黒屋婿入り」
08話目:「三五郎の再会」 ←今夜やってくれたのはここ
09話目:「重四郎の三五郎殺し」
10話目:「おふみの告白」
11話目:「城富奉行所乗込み」
12話目:「重四郎召捕」
13話目:「おふみ重四郎白州の対決」
14話目:「白石の働き」
15話目:「奇妙院登場(入牢)」
16話目:「奇妙院の悪事(上)」
17話目:「奇妙院の悪事(下)」
18話目:「牢屋敷炎上」
19話目:「重四郎服罪」

俺は06話目「栗橋の焼き場殺し」を聴いて松之丞さんのファンになったので、この殺人鬼「畔倉重四郎シリーズ」が一番好き。

今夜は初めて聴くお客さんのために、1話目からダイジェストで7話目までやって、それで今回の「三五郎の再会」までやってくれました。うれしい心遣い。6話目からしか知らない俺も大喜びのグズグズ寺になりました。事前に「再会するだけの話」と聞いていただけに、「栗橋の焼き場殺し」も含めたこれまでの悪行、斬って斬って斬りまくる鬼畜な悪行シーンを沢山観ることができて、これだけでもう大満足。スカッとしました。これはもう、あれですね。疑似殺人。バーチャル殺戮。疑似体験をすることでストレスを発散するという。すばらしい時間でした。

柳若さんは「蒟蒻問答」。まだまだ硬い。ネタおろしですもんね。帯状疱疹まだ完治してないんですもんね。早く元気になってください。

昇也さんにはやはり「弥次郎」はぴったりでした。でも、もっとゆっくりやると、もっと面白かっただろうになぁ。あそこまで駆け足で駆け抜けることはないのに。ネタおろしだから怖いのだろうか。「長命」とか「湯屋番」くらいの得意噺に仕上げていってほしいなぁ。

次回、第17回グズグズ寺(寺入り前)@らくごカフェは2014年1月23日(木)
三遊亭小笑:「長屋の花見」
神田松之丞:「青葉の笛」(源平盛衰記)
春風亭柳若:「大工調べ」
春風亭昇也:「時そば」

昇也さんの「時そば」。これは期待しちゃうなぁ。これ聴いて「あぁ、蕎麦が喰いたい」って思って、神保町「たかせ」に駆けこんじゃうくらいな気分にさせてほしいなぁ。