連続モノはじめました 第三夜(全六夜)@ことぶ季亭

連続モノはじめました 第三夜(全六夜)@ことぶ季亭

雷門音助:「つる」
神田松之丞:「赤穂義士銘々伝~安兵衛駆け付け」
春雨や雷太:「二番煎じ」
-仲入り-
春雨や雷太:「塩原多助一代記~青の別れ」
鏡味味千代:太神楽(五階茶碗、撥・鞠、傘)
神田松之丞:「慶安太平記~戸村丹三郎」


三回目にして、ようやく行けた「連続モノはじめました」。年末と云うこともあってか超満員。みんな、この日を聞き納めにしにきているのだろうか。

音助さんは「つる」。具合悪かったそうだが、休んでほしかった。風邪、移しまくってることに…。

松之丞さん。「赤穂義士銘々伝~安兵衛駆け付け」。これ二度目だけど、最後まで通しで聴くのは初めてだろうか。ものすごくよかった。

前半は「ばばぁ!ばばぁ!」の連呼で笑い要素たっぷり。隣にいた(ばばぁ的な)年配のご婦人方も苦笑い。「鰻の幇間」みたいなシーケンスもいい感じ。

後半は打って変わってシリアスに。村上庄左衛門と村上三郎右衛門の村上兄弟と、彼らの仲間たちを、昼行燈な剣客・中山安兵衛(堀部武庸)が斬って斬って斬りまくる。斬った数は3人説や18人説など諸説あるようだが、松之丞講談では、5人以上は斬りまくっていたように記憶。とにかく、すかっとするチャンバラ、


赤穂義士の話と言えばもっとも俺の記憶に残っているのはNHK「峠の群像」。

大石内蔵助を緒形拳、石野七郎次を松平健、以下、浅野内匠頭(隆大介)、片岡源五右衛門(郷ひろみ)、中山安兵衛=堀部安兵衛は磯部勉。不破数右衛門は小林薫、奥田孫太夫(毒蝮三太夫)、矢頭右衛門七(野村義男)、高田郡兵衛は名高達郎、内田三郎右衛門(久米明)、藤井又左衛門(藤木悠)、西村小次郎(戸浦六宏)、萱野三平(中村梅雀)。いやぁ、良かった良かった。もちろん、松之丞講談の方ね。

雷太さんは「二番煎じ」。どうも鯉昇師匠のそれと比べてしまっていかんな。師匠のは最高レベルだからな。うーむ。硬い!好きで期待しているのに硬い。ただ、猪鍋の喰い方は巧い。

雷太さんの連続モノは「塩原多助一代記」。今回は「青の別れ」。このシリーズ、まったく知らないし、今回が初めてなので、なんともはや、ちんぷんかんぷん。事前勉強して来ないといけないかな。この知らない話が2013年の落語聞き納めになりました。ちと残念。

あかぎ寄席以来の味千代さん。太神楽(五階茶碗、撥・鞠、傘)は、今年の良い見納め、縁起納めになりました。御目出度くていいよねー。

松之丞さん「慶安太平記~戸村丹三郎」。時間押してますけどーという枕。でも、個人的には、この手のたっぷりな会は好きです。今年の300席・301席目だという。今年からはじまった講談好き(主に松之丞さんオンリー)も、今夜がこれで聴き納め。

「慶安太平記」は、慶安4年(1651年)4~7月にかけて起こった事件、慶安の変(けいあんのへん)を題材にした話。由比正雪の乱、由井正雪の乱、慶安事件とも呼ばれる。

3代将軍徳川家光の下で厳しく行われていた武断政治。この、自分たちを浪人の身に追い込んだ「御政道」(幕府の政治)に対して否定的な考えを持つ者たちの支持を集めた由井正雪が首謀者、話の主人公。講談は全19話。これの第06話目です。由井正雪が登場しない会。

「慶安太平記」(全19席)
01話目:「生い立ちから紀州公出会い」
02話目:「楠木不伝闇討ち」
03話目:「丸橋忠弥登場」
04話目:「忠弥・正雪の出会い」
05話目:「秦式部(皿回し)」
06話目:「戸村丹三郎」
07話目:「宇都谷峠」
08話目:「箱根の惨劇」
09話目:「佐原重兵衛」
10話目:「牧野兵庫(上)」
11話目:「牧野兵庫(下)」
12話目:「柴田三郎兵衛」
13話目:「加藤市右衛門」
14話目:「鉄誠道人」 ※聴いたことあり
15話目:「旗上げ前夜」
16話目:「丸橋と伊豆守」
17話目:「奥村八郎右衛門の裏切り」
18話目:「正雪の最期」
19話目:「一味の最期」


不満もあるけど、まぁまぁ総じて、良い聞き納めになりました。4・5回目の場所は「両国門天ホール」で。最終回は再び「ことぶ季亭」で。とのこと。来年もよろしくお願いしまーーす。