うなるカリスマ 国本武春三味線弾き語り

冬の星フェスティバル第三夜 うなるカリスマ 国本武春三味線弾き語り 国本武春

国本武春:「堪忍ブギ」
国本武春:「ザ・忠臣蔵 殿中刃傷~田村邸の別れ」
国本武春:「アジアの祈り」
国本武春:「アパラチアン三味線」
国本武春:「三味線世界旅行」
国本武春:「ザ・忠臣蔵 吉良邸討ち入り」
国本武春:「ええじゃないか」(アンコール曲)


今夕、ようやっと待望の国本武春先生の会に。こうやって、いろんな“待望・切望”をクリアして行くというのは人生冥利に尽きる。ありがたやありがたやありがたやのノリ。

俺に初めて国本武春先生を教えてくれた神田松之丞さん(ある高座の枕でした)が「武春先生、武春先生」と呼ぶので俺もこう呼んでいる。落語ファンの仲間にも武春先生のファンは少なくない。

そんな噂を遅まきながら聞きつけ、(そんなに凄いのか。これはぜひとも一度生で演奏を聴きたい。しかも、せっかく初めて聴くのなら独演会に行きたい)と願っており、今日の日を迎えたというわけだ。好きな人の推薦は強いよね。簡単に人を動かしてしまう。信頼って大切。

で、たっぷり堪能したわけです。

凄い人ですね。カリスマと言われるだけありますね。

ブログに「浪曲界の山下達郎」と書いていた人もいた。俺は今日のコンサート(浪曲会じゃないよねこれは)での観客弄り(さぁ、みなさんご一緒に!のやつ)を体験しながら、(あぁこれは達郎ではない。元春だ。この方は浪曲界の佐野元春なのだ)と思いながら、元春のライブコンサートをフラッシュバックさせながら、武春空間に陶酔しきっていたわけだ。

そんな感激に打ちふるえながらの帰りしな。ふと思った。

もしかすると、

山下達郎こそが、J-POP界の国本武春で、
佐野元春こそが、J-ロック界の国本武春なのかもしれない。

タツロウがタケハルで、タケハルがタツロウで。元春が武春で、武春が元春で。俺がお前でお前が俺で。もう、脳内は“転校生”状態。もう、しっちゃかめっちゃか。そのくらい、ベストショッキングな2時間だった。

もっともっと聴きたい。元春を。いや、武春を。

YouTubeで武春先生の演奏をおさらいしてみたが、「ザ・忠臣蔵 殿中刃傷~田村邸の別れ」の後半、「田村邸の別れ(バラード)」は泣けるねぇ。涙をぬぐうご婦人方の姿がたくさん見受けられた。俺の席の前のはっちゃけた感じの武春ファンのおっさんも目頭をぬぐっていたような気がする。

武春先生は日本の宝だな。一度みたら虜に。虜ロールに。もう、YouTubeで武春先生の演奏をおさらいしているうちに、大忠臣蔵 第49回 「南部坂 雪の別れ」(三船プロ)を観返してしまいたくなるほどに。

ただ一点。客との一体感はいいんだけれども、観客たちの拍手で純粋な三味線の音色と歌がかき消されてしまうのは、いかがか。俺はもっと、あの雷のような大河の流れような素晴らしい三味の線の震えに、俺の琴線を触れ震わされたかったんですよ。

がこれは決してもちろん、減点などではなく、何があろうとも今夜の2時間は俺の人生的に100点満点中8億点だったわけだが。