五代目小さん・孫弟子七人会 昼の部@霞ヶ関イイノホール

さて、本日は五代目小さん・孫弟子七人の会。「笠碁」「紺屋高尾」「座敷童」「三人旅」「三人無筆」「三味線栗毛」「崇徳院」「粗忽長屋」「狸賽」「千早振る」「道具屋」「猫久」「野晒し」「仏馬」を柳家喜多八・柳家喬太郎・入船亭扇辰・柳家三三・柳亭左龍・柳家甚語楼・立川生志の孫弟子7人が口演する日。

会場入りしてプログラム表(香盤表)をもらって、気分が上がる。なんて楽しいの!「それぞれの演目と演者はお客様が線でお結び下さいませ。」だって。

いい!

こういう遊び心、いい!好き!すごく好き!楽しい!俄然、参加感が高まる


五代目小さん・孫弟子七人の会 夜の部

金原亭駒松:「豆屋」
入船亭扇辰:「千早振る」
柳家喬太郎:「仏馬」
柳家甚語楼:「崇徳院」
柳家三三:「三味線栗毛」
-仲入り-
柳亭左龍:「三人旅~おしくら」
柳家喜多八:「粗忽長屋」
立川生志:「紺屋高尾」


前座の駒松さん。同じ「豆や」でも、先日聴いた小助六さんのとは雲泥の差。だから前座なのだとみることもできる。まだ仕方がないとはいえ、聴き比べてしまった。

7人のうちのトップバッターは扇辰師匠。理由は知らないが、初めの人って大事だからね。よくできた香盤。いきなり、俺のボルテージも上がる。(なにをやってくれるんだろう…どきどき)

師匠の口から「知ったかぶり」の言葉が付いて出た途端、(すわ、千早か!)と俺。読みが当たるのはうれしい。扇辰師匠の「千早振る」は二度目?三度目?いいわぁ~。気持ちよい。気持ちよい落語。

「滑稽話が一番難しい。『文七元結』なんて簡単なんです。」と師匠。いいぞいいぞ!もっと言ってくれー!さすがに「『芝浜』なんて簡単なんです。」とは言わなかったか。なはは。

良い気分になってきた俺。二番手は喬太郎師で「仏馬」。NHKの「落語でブッダ」で聴いた奴。7人の中で唯一、(比較的)若手で剽軽なのが喬太郎師匠だけなのだから、(古典古典で飽きてきた)中盤の登場の方が良いのでは?二番手で使うにはもったいないなぁと。気分転換できそうな人が喬太郎師くらいなのだからしてからに。

甚語楼さんは「崇徳院」。

三三さん。相変わらず、三三節と言うか、三三調と言うか。攻撃的な感のあるというか、険のある枕から「三味線栗毛」。(歴代の名人がかけた名人な噺を聴いたなぁ)という感慨のみ。去年から、どんどん好きになってきている噺家さん。独演会行きたいけど、チケットとるの大変そう。

左龍さん。今日のめっけもんは左龍さん。左龍さんの「三人旅~おしくら」。去年「さん喬一門の会」で聴いた「たちぎれ」が残念な感じだったのですが、今日の左龍さんは良かった。左龍さんの「三人旅~おしくら」、良かった。どかどかんウケてた。艶笑噺は面白い。喜多八師匠の言葉を借りれば「大人のたしなみ」ってやつですな。

「去年米(よね)の祝いをした」という89歳の年増(てか、おばあちゃん)をあてがわれて…って、もう最高。ここまで剽軽な左龍さんを初めて観た。(滑稽話のほうが似合うじゃーーん)と俺。流石の左龍。

俺的に待ってました!の喜多八師匠は「粗忽長屋」。喜多八師匠の声を噺を聴けた(聴くことができた)ってだけで満足してしまう俺。

「五代目小さん・孫弟子」と定義した時点で、絶対に談志系からも誰かに出て欲しかったんだろうな。俺でも絶対談志の弟子をブッキングするよ。でないと、駒が足りない将棋みたいだもの。

どんな経緯かは知る由もないが、そんなこんなで、昼の部のトリは生志さん。

しっかり自分の会の宣伝も入れこんで(がつがつしている感はサバイバル、生存競争を勝ち抜いてきた立川流猛者の性だろうか)、楽しい枕をガンガンぐって「紺屋高尾」へ。途中途中で切れ場を創って、笑いを入れこみつつ、終盤へ。上手いなぁ、試合運び。以前、国立で見た時は同じアウェー感の中でも全然良くなかったのに。今日は違うなぁ。めちゃ生き生きしてる。ように感じた。

でもって終盤ですよ。来ますね。怒涛の攻めが。前半のファニーな感じからの急降下落下型人情ムード。そりゃ、泣く人続出だわ。泣ければいいってもんでも、泣かせれば上手いってわけでもない。でも、この「俺の世界に引き込みますぜ」なスタイルは立川談志そのもの。ちょっと芸人としてのいやらしさも感じないこともないけど、総じて上手いなぁ。上手い。

前半(昼の部)終わって、大満足。左龍さん、生志さん、特にありがとう。

 

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