う勝の先勝勉強会~第12回真打昇進決定記念⇒ひずたけ

う勝の先勝勉強会~第12回真打昇進決定記念

三升家う勝:「岸柳島」
春風亭百栄:「船越くん」
-仲入り-
三升家う勝:「心眼」


早朝寄席で聴いた友人から推薦され続けていた三升家う勝さん。念願かなって、ようやく今夜。う勝の先勝勉強会~第12回真打昇進決定記念。今夜は「喜多八 十夜」の初日だったんだけれども、それを蹴って(てか、こっちの会の方を先に予約済)日本橋亭へ。

写真を観たり、ブログを読むだけだったけども、それだけで、なんだか個性を放つ、不思議な人だってことがわかっていた。で、やっぱり。

冒頭、いろんな告知から、最後はやはり。真打昇進の件。う勝さんは八代目三升家小勝師匠に入門⇒前座名「勝好」⇒二ツ目昇進「勝菜」に改名⇒「う勝」に改名(右女助をもらうことを読んでの事)⇒来年三月真打昇進 四代目桂右女助(うめすけ)。

名跡「三遊亭右女助」の変遷

初 代 三遊亭右女助:後の四代目古今亭今輔。
二代目 桂右女助  :後の六代目三升家小勝。八代目桂文楽門下。そのため「桂」の亭号を名乗った。
三代目 三遊亭右女助:2007年没で以後空き名跡。そのため、う勝さんが継ぐことができたんだそうだ。
四代目 桂右女助  :=う勝さん

う勝さんの師匠、八代目三升家小勝師匠は、六代目三升家小勝に入門。師匠六代目小勝没後は初代林家三平一門に移籍。

芸名(亭号や名跡)の変遷、由来は聴いていても楽しい。で聴いていると、落語家はみな、大きな「落語一家」の一員なんだなと感じる。落語村の一族。

以下、う勝さん語録。非常に豊かで面白い。

・この春、10人合同で真打に昇進。うれしい人と、そうでない人と。僕はうれしい。

・噺家全員がトリをとれるわけではないし、とりたいと思ってるわけではない。

・サッカーだってみんなが背番号10を背負ってエースになれるわけじゃない。いろんな役割、ポジションの人が居る。僕は、寄席でなら「18:30の噺家」になりたい。寄席の出番で18:30は“凪の時間帯”。その頃に高座に出てって、漫談やったり、落語やったり、かき回すような真打になりたい。

・真打昇進はスタートであって、ゴールではない。

・噺家になった経緯:作家になりたかった。見聞を広めたかったから20代の頃、海外放浪していた。作家になりたい以上、人の生死に携わる仕事に就こうと思い帰国後は葬儀社に入った。両親の老いに触れ、落語家になろうと思い立つ。目の悪くなった両親。耳は元気だ。ラジオから声が聴こえてくるような職業、海外で観光ガイドをやっていた経験、その時、おしゃべりで笑いを取っていた経験などを鑑みると「落語家」って職業がいいのでは?と思い立つ。

・37歳の誕生日に生まれて初めて寄席に行く。たまたま?百栄兄さん(当時・栄助。同い年)に相談をし、八代目三升家小勝師匠に38歳で弟子入り。

・多くの噺家が「落語(というもの)」と恋愛結婚しているのに対し、僕は「お見合い結婚」した。「お見合い結婚」も悪くない。「あいつ(=落語)」は結構いい奴。


最初は「岸柳島」。

次は百栄先生(師匠)。う勝さんとの出会いを枕に「船越くん」へ。う~ん、残念。「天使と悪魔」とか、聴いたことのない新作を味わいたかったけど、ゲストだから15分サイズの噺をチョイスしたのだろうか。噺も何度も聞いた船越くんだったが、部分的にバージョンアップしてた。でも、ところどころ、しどろもどろ。油断したか。う勝さんの会に甘えてたという印象も否めず。万全とは言えなかった。百栄先生目当ての気持ちも少なからずあっただけに、ちと残念。

トリは「心眼」。期するものがあったのだろう。「心眼」は八代目桂文楽の十八番だからね。落語家らしいテクニックみたいなものは、これからなんだろうし、スーパーな二つ目さんでもない。いま、出来上がってるわけじゃない。でも、そこに痺れる、憧れルぅ。3月からの披露目にも行こうと思う。52歳の若手真打の行く末を俺も見守りたいんだ。

最後に。どんな名人、上手い人でも、ここまで感じたことがなかった点が一つ。枕と本編の間(あいだ)。

う勝さんの枕と本編の間(あいだ)がすごかった。継ぎ目が見えなかった。全然見えない継ぎ目。超かっこいい。こんな体験は初めて。すごいすごい!これで噺の腕を上げたら(「四代目 桂右女助」の世界を構築できたら)、ものすんごい噺家になるなあと感じた。

★マーケティングの視点★
う勝さん。この人も不思議な魅力を持っている。百栄先生もすごいけど、百栄先生ともまた全く違う。ずっと観たかった、聴きたかった噺家の一人。誰にも似てなくてステキだ。上の語録からもわかるように落語や人生に対する「了見」がかっこいい。力みも、衒い(てらい:みせびらかし。誇示する様子)も感じない。肩の力が抜けてて飄々としてる飄々としてるのが、う勝さんの持ち味なんだろう。飄々としてる=常に風に吹かれてる感じ。喜多八師匠もそうだ。喜多八師匠との共通点(かっこいいと感じる点)はここだな。背番号10番、エースだけを狙ってないところも好きだ。1830の噺家。これがゴールじゃなく、これからがスタート派なのもいい。東天紅なのもいい。

その後、「このじょ」に行こうかなとも思ったが、「はっ!ひずたけだ!」と思い立ち、明大前へ。お通し(帆立といちぢく・おくら・トウガン)/くずしあん豆富/銀杏とさつま芋白和え/日本酒一合(にごり酒・ぬる燗)。野田ホーローの鋳物を紹介されたりして、こういちさんと軽くおしゃべり。こういう立ち寄り方は初めてかな。美味しかった。いつもながら最高に美味しかった。ご馳走様でした。