09月中席夜の部「柳家喜多八」主任興行「喜多八 十夜」@鈴本02日目

09月中席夜の部「柳家喜多八」主任興行「喜多八 十夜」@鈴本02日目

柳家小かじ:「子ほめ」
柳家ろべえ:「だくだく」
和楽社中:太神楽曲芸
橘家圓十郎:「湯屋番」
春風亭一朝:「目黒のさんま」
江戸や小猫:動物ものまね
宝井琴調:「小政の生い立ち」
春風亭百栄:「寿司屋水滸伝」
-仲入り-
大空遊平・かほり:漫才
柳亭燕路:「辰巳の辻占」
柳家小菊:粋曲
柳家喜多八:小噺「お日さんの宿~雷弁当~落武者」⇒「茄子娘」


本当は今夜は行く予定ではなく、行けるとも考えてなかったが、もう、矢も盾も堪らず、打ち合わせ終えて一目散随徳寺的猛ダッシュで途中入場。待ちに待ちに待ちに待ちに待った「喜多八 十夜」、の二日目。圓十郎さんの「湯屋番」から。当然、売店の寿司弁当(神田志乃多寿司)はまたもや売り切れていた。んもう!もっと仕入れておいてよ!

圓十郎さんの「湯屋番」。ネタ同様、お客を置いてきぼりに。しゃべりが立つだけに、独りよがりさがもったいないなぁ。残念。

一朝師匠は、殿様が可愛い「目黒のさんま」。秋刀魚が美味そう。もちろん腹が鳴った。外連味のない仕草にうっとり。寄席客に合わせたくすぐりも一朝師匠らしいと言えばらしいが、俺には不要。だったら、寄席以外の会で聴くべきですね。はい、その通り。客層に合わせて縦横無尽。手練れ中の手練れだ。すごい人。

江戸や小猫さんは動物ものまね。初めて聴いたが、面白い。ウクレレ漫談のぴろきさんにも似たムードを纏っている。現代風エッセンスを交えて、お父さんの先代こ猫さんとも全然違う。素晴らしい。もっともっと個性を磨くことができるはず。いずれ猫八の名を継ぐのだろうから。超期待。

これまたお初。宝井琴調師匠。「小政の生い立ち」。この人も掘り出し者。これだから寄席通いは止められん。講談で面白いと思える人、神田松之丞さんくらいとしか出会ってないからうれしくなった。宝井琴調師匠、忘れません。

仲入り前は百栄先生で「寿司屋水滸伝」。キョンキョン以外では初めて。静岡出身アメリカ鮨職人経由の百栄先生だから、人の新作を教えてもらったのだろうか。嫌いなネタじゃないし、十分笑って面白かった(昨日の「船越くん」に比べると雲泥の差!)。けど、自作に面白い創作噺を持っている先生なのになぁ、自身の新作落語をなぁ…という気持ちも隠し切れず。ま、寄席だからね!の一言で自己解決。基本、大満足。

次も大好き!燕路師匠。相変わらずいいわぁ。落語界の川谷卓三。「辰巳の辻占」。燕路師匠の独演会にも行って見たいんだよなぁ。こみちさんとの親子会とかでもいい。開催してほしい。

膝は小菊姉姐さん。欽来節⇒えんやらや(ってやつ)⇒都都逸⇒淡海節⇒羽織着せかけ⇒長崎ぶらぶら節。湿気が多かった?から、微妙に音がずれたりしていたけど、それもまた良し。初めて聴いたから。小菊さんの音ずれ。

で、ついに! ドキドキ!ドキドキ!

(よっ!待ってました!学習院!)と心の中で掛け声一発。師匠、お元気そうで何よりです。頬がこけてない。目の下に隈ができてない。もう、おれはそれだけで嬉しいんですよ、師匠。

先日のテイト(春雨や雷太落語会・スペシャルゲスト:柳家喜多八)に引き続き、また聴けて嬉し過ぎっ!最近の師匠の無敵小噺トリプルコンボ「お日さんの宿~雷弁当~落武者」からのあっさり「茄子娘」。トリネタとは思えぬ、ネタだし「茄子娘」。どう料理するのかと思ったら、これだ。

(トリだけど、こんな感じで、いいよね。テヘヘ)という師匠のニヤニヤ笑いが高座から透けて見える。

くぅぅぅぅぅたまらん、この肩透かし感が!飄々としてていい!かっこいい!(ファン心理てな、こんなもんです。ええ。) ちなみに、「茄子娘」の和尚さんは俺と同い年!なんか不思議な感覚。没入感。


09月中席夜の部「柳家喜多八」主任興行「喜多八 十夜」ネタだし一覧

初日 11(木):「明烏」聴きに行きたかったが先約(う勝の先勝勉強会)
二日 12(金):「茄子娘」 ※聴きに行ったぞ!
三日 13(土):「お直し」
四日 14(日):「癇癪」
仲日 15(月):「盃の殿様」 ※聴きに行くぞ!
六日 16(火):「居残り佐平次」 ※聴きに行くぞ!
七日 17(水):「千両みかん」聴きに行きたいが先約(夢吉・鯉八・松之丞の会)
八日 18(木):「笠碁」 ※聴きに行けるといいな
九日 19(金):「片棒」聴きに行きたいが先約(一之輔・夢吉「夢一夜」)
楽日 20(土):「五人廻し」聴きに行きたいが先約(第9回雷門助六一門会)

盃と居残りは何が何でも!笠碁も行けるか?

★マーケティングの視点★
師匠は「ま、ま?まーけてぃんぐってなんだよ?俺のブランドぉ?」って言うと思うけど、自分のブランドがしっかり構築されている噺家の1人。それはもう強固に。独自性、個性がくっきりしている。好き嫌いもあるだろうが、ファンになると、もうたまらない魅力を放つ。ファンとしては盲目になりがちだが、これがブランディングというものなのです。「喜多八ブランド」、最高に好き。