第9回 雷門助六一門会@市ヶ谷

第9回雷門助六一門会@市ヶ谷 いきいきプラザ一番町B1Fカスケードホール

雷門音助:「饅頭こわい」
柳亭小痴楽:「磯の鮑」
雷門小助六:「崇徳院」
-仲入り-
鏡味正二郎:太神楽
雷門助六:「両国八景」
寄席踊り:音助「深川」⇒小助六「かっぽれ」⇒助六「姐さん」から得意の操り「奴さん」


道に迷ってしまい、開演ギリギリに滑り込みセーフの雷門助六一門会。

開口一番は二番弟子の音助さんで「饅頭こわい」。如才ない。贅沢にも勝手な感想を言うと、如才なさすぎて、つまらない。いい子すぎる感。つるんとしてる。ザラザラがない。これはこれで、将来が楽しみな音助さんではある。

ゲストの小痴楽さん(本当は、午後にあった道楽亭での独演会「柳亭小痴楽 ようこそこち劇場へ!第6回~今回は小痴楽ひとり舞台~」にも行きたかったが残念)は、俺には馴染みの「メロンちゃんのパンツ丸見え事件(メロンパン)」の枕から、同じく小痴楽さんド鉄板の「磯の鮑」で爆笑の渦。

「年配女性が多いのに(勝手な憶測)、スナックやパンチラやお女郎買いの噺かよ!」とこっちが勝手に思って冷や冷やしてたけど、どうしてどうして。どかんどかんと爆笑ゲット。

小痴楽さんが(ここぞ!)というときにかけるネタの安心感たるや!この「磯の鮑」といい、「湯屋番」といい、「明烏」といい、「大工調べ」といい、小痴楽さんの完璧主義っぷり、理想の高さを最近肌で感じている。ちゃらんぽらんな表っ側の裏面で燃える、小痴楽さんの芸に賭ける芯の強さはすごいね。他の二世落語家とは、全然違う真剣さを感じる。まだ25歳なのにとってもかっこいい。

一方、同じ恋バナ、男女の物語でも純愛噺の「崇徳院」を端正な語り口でしっかりと聴かせてくれたのは小助六さん。男っぽい目線の「磯の鮑」と、女っぽい目線の「崇徳院」。小痴楽さんがうけてた分、小助六さんのこの日の観客うけはいまひとつ。上手いのに。

鏡味勇二郎師匠のお弟子さんである「鏡味美千代」さんはよく見ているけれども、正二郎さんは初めて。正二郎さんの師匠は、鏡味繁二郎師匠(誰が呼んだか、ヒゲボンボンの方)。

ボンボンブラザースの、片や鏡味勇二郎師匠のお弟子さん。片や鏡味繁二郎師匠(誰が呼んだか、ヒゲボンボンの方)のお弟子さん。

祇園毬⇒鍬の曲(鍬廻し)⇒五階茶碗(五階建てだから五階茶碗!遅すぎたが今夜や知った)⇒出刃皿の曲⇒傘の曲。

●五階茶碗:台茶碗(撥)を顎に立て、お茶碗を積み上げていく技。「幸せが積み上がります様に」で縁起が良い曲芸。

●鍬の曲:鍬の上に水の入ったコップを乗せて振り分ける技。農作物の豊作を願って作られた曲芸。

●出刃皿の曲:出刃包丁の上で大皿を廻したり、出刃包丁のきっさきで受けて廻したり。刃物で邪気を切り祓い、運勢がさら(皿)に良くなります様に。で縁起が良い曲芸。

●傘の曲:傘の上で、鞠や湯のみ茶碗を廻す技。傘の形が「末広がり」で縁起が良い曲芸。桝を廻して益々繁盛!で縁起が良い曲芸。

目が大きいから、なんか血走ってる感じでハラハラさせるという得なお顔立ちの正二郎さん。もちろん失敗などしないから、特に出刃皿なんかでは客の心を鷲掴み。得だ。絶対に得な顔だ。

助六師匠(九代目)は珍かなる「両国八景」。この噺の一部分が独立して「蟇(がま)の油」となったんだとか。八代目・雷門助六師が高座にかけたという希少落語。夢吉さんと言い、小助六さんと言い、珍しい噺を聴かせてくれるのは芸協の噺家さんに多い気がするけど俺の先入観かな。

と、一門会はココで終わらず。音助さん「深川」。人前で踊れるのは、まだこれだけだという。小助六さんは「かっぽれ」。足腰もぶれずにしっかりと。高座同様端正な踊り。助六師匠は「姐さん」から、得意の操り踊りの「奴さん」で踊り〆。MJも真っ青!

しかし、八代目・助六からの流れなのでしょうか。九代目・助六一門も、四代目・雷蔵一門も踊るよねぇ。素晴らしい芸だ。

最後は壇上に音助さんと小助六さんを呼んで正座させて再び紹介。名前を呼んだだけだったけど、俺には師匠の(これから、こいつらをよろしくお願いしますよ。可愛がってやっておくなさい。どうぞご贔屓に!)という心の声が聴こえた。

★マーケティングの視点★
ご贔屓筋に囲まれての一門会。ファッションブランドで言えばファミリーセールみたいな感じか。アットホームでいいわぁ。みんなに愛されてるのがわかる九代目・助六一門。お客さんに「好かれる」「可愛がられる」って重要。