ひずたけ(2015年6月2回目)

先輩(この方も常連さん)との打ち合わせの流れで、急きょ、突発的に「ひずたけ」へ。金曜の夜だし、突然だし、(無理だろうけど、思い切って電話するだけでもしてみましょう)、と電話をすると「空いてますよ、大丈夫ですよ」とのお返事。(やったね!)

 

今夜に限っては、「今月のメニュー表」は出てこない。6月は2回目なので、(同じコース料理を、またお出ししては…)という心憎い配慮なのだ。誠にありがたい。くぅぅぅぅ、沁みる。心に沁みる。これこそ、何度も通っている客冥利に尽きるというもの。

 

我々としては、出してもらうものを、ただ黙々と味わうのみ。この、お任せ=“まな板の鯉感覚(良い意味で)”が「ひずたけ」の醍醐味。(今夜は何を出してくれるのかなぁ?どんな素材を、どんなふうに調理してくれるのかなぁ?)というワクワク感がハンパないのだ。昨日、別のお店で「月」の話を延々とされたので、いつもはお任せにする日本酒を、今夜は「月」つながりでオーダー。「月山(がっさん)」と「雨後の月」。特に「月山」は俺の好みでした。で、肝心のお料理はというと。

 

イトヨリ鯛の南蛮漬け。

アイナメの刺身と、その漬けと。

手羽先。(普段はアラカルトで提供されるもの。激ウマ)

クリーミー豆腐、焼きズッキーニと麹トマト、茎若布と舞茸と人参と薩摩揚げ、香味セロリの酒蒸し豚肉。

鱸(スズキ)の竜田揚げ。

太キュウリの煮浸し胡麻がけと、ビワ。

鯵のつみれと高野豆腐と茄子、グリーンアスパラガスの炊き合わせ。

枝豆と桜海老のおむすび。

お茶とデザート(特別篇)。

 

いわゆる、今夜は期せずして、一部、いわゆるひとつの「リピーター特典」を体感できたわけです。大変、うれしい。「いつも、こうできるとは限らないので・・・」とはトモさん&コウイチさん。ありがとうございます。そうですよね。感謝しています。お二人が食べているという賄料理的なものも味わうことができ、これまた幸運でした。

 

もうホント、できることなら、週に2回は通いたいくらいです。

 

★マーケティングの視点★

突然の予約(5時くらい)だったので、想像するに、1時間で何を出すか考えてくれたか、あるいは、他のお客さんに定番コースを提供しつつ、我々に(さて、次は何を出そう?)と考えながら調理してくれたか、ですね。間違ってるかもしれませんが、そういう想像を楽しませてくれるのも、また一興なのです。セッションと言えば大仰でかっこつけすぎな表現かもしれませんが、(こうくるか!)という駆け引き的な肴の提供がたまりません。席に座って、ちびちび呑(や)りながら、先輩と大した会話もせず、黙って待っているときの「間(ま)」が、これまた楽しいのです。こんな店はそうそうないと断言できます。逆に「間」が息苦しかったり、しんどい店は多い。店との相性なのか、絶対値的なものなのか。とにかく、「間(ま)」も美味しい。「ひずたけ」とは、そんなお店なのです。