つくしのこ@池尻大橋。馬には乗ってみよ、人には添うてみよ、酒の誘いには呑まれてみよ

先日、懇意にしてもらっている某店・店主殿から「月曜日に呑みに行きませんか?」とお誘いのメールが。

聞けば、お店のお客さん(Aさん)の紹介・案内で、4人(Aさん、Bさん、店主夫妻)で池尻大橋にある完全紹介予約制の「つくしのこ」という居酒屋に行く予定になっていたが、お一人(Bさん)キャンセルになってしまったので、「(ピンチヒッターですけど)どうですか?」とのことで。

基本、「お誘いは断らない!」「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ、酒の誘いには呑まれてみよ」を信条にしている俺としましては、断る理由もなく。即答OK!ただでさえ呑みのお誘いがうれしいというのに、そんなねぇ、“完全紹介予約制”とか聞いちゃったら、ますます「この機会を逃してはいけない」という気持ちになるろうと言うもの。それが人情。

本当は俺ではなく、行くはずだったBさんに心の中で手を合わせて感謝しつつ、池尻大橋へ。

聞けば、Aさんが4か月も前に予約をしてくれたのだという。4か月も!前に!ますます申し訳なさでいっぱいな気持ちに。

暖簾も看板もなし。哲学的な敷居はなく、ひたすら庶民的な店内。壁一面にお酒の銘柄を書いた紙が貼られている。写真禁止のお店(?)なのでスマホをいじる手も少し緊張。(撮影はしてないんです!メールチェックをしただけなんです!)

厳しそうな店主(ホール)と、カウンターの中にはなかなかシニアなお母さん(料理)。なのでアラカルトはなく、料理は勝手に運ばれてくる。客は好きなお酒を指定して(あるいはお任せして)呑むだけ。ひたすら呑む。最初に出されたのが、山口の「獺祭 発泡にごり酒スパークリング」。オットー・フェス・サケ(かわうそ・祭り・酒)と言うラベルが可愛らしい。いわゆるひとつの、はじめのビール代わりなのでしょうなぁ。

紳士なAさん、店主夫妻の酒知識を聞きつつ、気持ちよく身を委ねて、ひたすら聞いて、呑んで、喰って、時々しゃべって。紳士なAさんのお話、普段はカウンターごしでしかお話したことのない店主夫妻の一般人の顔・話が、ことのほか楽しく、美味しく。

気づけば23時。19時に入店してから4時間!あぁぁ、楽しい時間と言うものは、本当にあっという間に過ぎていくものだ。ここのお店の不思議かもしれない。時間が止まっているかのような空気が流れている。不思議なお店。限定された庶民派居酒屋空間。稀有。初体験。

貴重で楽しく、美味しい時間を過ごすことができました。Aさん、Bさん、店主ご夫妻、本当に今夜は有難うございました。

★マーケティングの視点★
一見さんお断りの店「つくしのこ」への潜入。大変稀有な体験ができました。Aさんいわく「4人がベストでしょうね、ここの楽しみ方としては」とのことだが納得です。2人でも3人でもない、ましてや大人数でもない。4人がしっくりくる。アテンドしきれないという理由で、完全紹介予約制なのだそうですが、それなのに満席。予約客が次から次へと入店してくる。人は限定感に弱いなぁ。「簡単には飲めない・入れない」となると燃えてくる人たちは相当数いるというコトです。特別な体験にはお金を投じるというコトです。モノ(酒)があるお店は多い。だが、モノとコト(特別限定体験)が揃っているお店となると…。はじめてだったのでコンタクトは有りませんでしたが、きっとヒト(店主とお母さん)もよい人なのでしょう。ヒト・モノ・コト、3つが揃うと繁盛しますね。ちなみに、「ひずたけ(明大前の名店)」の場合のヒト・モノ・コトは、ヒト(ご夫妻)・モノ(料理と酒)・コト(器と時間)ですね。