柳家小太郎 とうとう独り@落語協会二階

柳家小太郎 とうとう独り@落語協会二階

柳家小太郎:「蚊いくさ」
柳家小太郎:「義眼」
―仲入り―
柳家小太郎:「死神」
柳家小太郎:「しげる(小太郎オリジナル 妖怪版寿限無)」

4月に初めて聞いて以来、恋焦がれていた小太郎さんの勉強会にようやく!初出席。あーーー楽しかった。

冒頭、1曲入りのオリジナルCDを忘れてきたと陳謝の小太郎さん。静かなる幕開け。

「蚊いくさ」。この手の噺は庶民的で、馬鹿馬鹿しくて大好き。

それに比べて「義眼」はなぁ…。「犬の目」と並んで俺の好きじゃないネタ。目玉をくりぬいたりなんだりの噺は、なんだか気持ち悪くて好きになれない。ネタのせいであって、小太郎さんの技量とは全く無関係。

仲入り後は「死神」。標準的なサゲ。呪文のバリエーションを変えて笑わせることもしなかった。オーソドックスに。怖がらせるパターンが好きなのかな小太郎さん。

で、ここからもよかった。

大人しい感じのお開きを嫌ってか。あるいは毎年夏の恒例行事なのか。「死神」を演った後、時計を見る小太郎さん。「まだ時間に余裕がありますよね。ボーナストラックです」と言いながら『寿限無』を妖怪でアレンジした「しげる」を披露くれた。聞いてみたかった俺としては非常にラッキー!

「しげる(小太郎オリジナル 妖怪版寿限無)」。しげる しげる 子泣きに砂かけ 会社員山田に のっぺらぼう(?このあたりから、もはやあやふや)。べとべと、泥田坊、がしゃ髑髏(根付け持ってるぜ!)が出てきたことは覚えている。あぁぁ、暗記したい!誰か、正式版を教えてほしい。

終演後、「俺の値付けは清姫(道成寺)ですよ」と小太郎さんと(短いけど)立ち話できたのも収穫。

小さい名前の大きな噺家、小太郎さん。1,000円で3席たっぷり聞けて、本当に素晴らしい。毎月欠かしたくない落語会です。

★マーケティングの視点★

大学卒業後に初めて落語に触れ、落語のことなど何にも知らずに、惚れこんだ「さん喬師匠」を追い掛け回して入門。それから10年。それで、今の実力。センスと言うかポテンシャルがものすごい人。無論、努力型の人なのだろうけれども。その努力を感じさせないところも大好き。いまだ眠る彼の中の“落語埋蔵量が、どれほどあるのか。気になって仕方がありません。すごい大名人というか、大きな人に成長するだろうなと言う気がします。宣伝下手なのに、実力だけでお客さんを増やしている正攻法な噺家さん、という印象の小太郎さん。小手先な感じがしない、ぶっとい感じも素敵です。小さなコトからコツコツと。妖怪好きと言う点だけじゃなく、共感ポイント、いっぱい。