雷門小助六・三笑亭夢丸リレー落語会 一生涯篇@日暮里サニーホール

小助六&夢丸 リレー落語会 一生涯篇

(生誕)三遊亭らっ好:「子ほめ」
(子供)雷門音助:「真田小僧」
(恋情)三笑亭夢丸:「越後屋」
(夫婦)雷門小助六:「長命」
-仲入り-
(晩年)三笑亭夢丸:「金婚旅行」
(冥土)雷門小助六:「死ぬなら今」


小助六さんと夢丸さんのリレー落語。2014年10月に続いて今回が二度目です。今回ももちろん参席。前回の「悶絶篇」では「茶の湯」を前半と後半とに分けてリレーで、しかも二人ともネタおろしでした。8月1日の会には来れなかったので、無念を晴らしたくて。

早めに日暮里駅について、初めて行く「馬賊」で早めのランチ。評判が良いので食べに来ました。開店したばかりだというのに後から後からお客さんが。評価が高いのもうなづけます。注文は評判の担担麺と餃子、そしてビール。(美味い!美味いぞ!当たりだぞ!)と食べていると着物姿の知ってる人が来店。なんと!俺の大好きな大好きな噺家さんでした。ご挨拶して先に席を立ちました。ゆっくり召し上がってください。(なんか幸先いいぞ!)

食後、コーヒーをしばきながら開場までつなぐ。13:00開場。同時に会場になだれ込む人&人。今回の2回目の“リレー”は「一生涯」がテーマ。雷門音助さんと三遊亭らっ好さんという二人の前座さんも含めての4人での6席で、一生涯を演じてくれるそうです。

(生誕)篇は三遊亭らっ好さんで「子ほめ」。誕生ですから、やはりそうなりますよね。初めて聞いたらっ好さんは俺の大好物なタイプ。しっかりしていて、形が良い。姿が良い。歯切れが良い。落ち着いていて、滑舌も良い。ウルトラ期待大な前座さんに出会ってしまいました。これだから落語会通いはやめられない。らっきいなことに、らっ好さん発見!

(子供)篇は音助さんで「真田小僧」。(きっと初天神だろう)という予測は外れました。将来を期待し、ファンが多い音助さん。

(恋情)篇は夢丸さんで初めて聞く「越後屋」という噺。「千両みかんかな、いや、でもこの香盤でそれはないな」。調べてみると、大本は「角兵衛の婚礼」という噺で、「越後屋」「越後屋角兵衛」「角兵衛」「子返り」「どんつく」「恋わずらい」と様々な別題で大勢の噺家さんがやっていたとのこと。掘り起こしたのは歌丸師匠で「越後屋」として高座に掛けていたんだそうです。納得。珍妙噺が大好きな夢丸さん。きっと歌丸師匠に教わったのでしょうね。

(夫婦)篇は小助六さんで「長命」。歌丸師匠、昇太師匠、昇也さんらは「長命」としてやってますね。小助六さんは軽くて好き。ふわりとしたストーリーテラーは絶妙です。

(晩年)篇は夢丸さんで「金婚旅行」。これは今日一の大爆笑。春雨や雷蔵師匠の自作?。とにかく、この手の滑稽噺は夢丸さんの独壇場。水を得た魚。絶好調。ネタおろしとは思えない。掛ければ掛けるほど笑いが取れるネタに磨かれていくと思いました。夢丸さんは真打になってから、ぐんぐんと才能と努力が開花しているように思える。二つ目以上の開花っぷりではないか。立場が人を創るというけれども、まさに。もっともっと素敵な噺家さんに成長していただきたいと切に願います。

トリ。(冥土)篇は小助六さんで「死ぬなら今」。これはもう予想通りでした。ふっふっふ。鯉昇師匠にならったのだろうか。それとも鯉橋さんだろうか。鯉昇師の濃いめの「死ぬなら今」が好みだけれども、ふわふわな小助六バージョンもそれはそれで、今後聞き続けたい噺ではありました。

★マーケティングの視点★

主催者の方の趣向もさることながら、出色はパンフレット。若かりし頃のお二人の顔写真が。こういうの好き。大好き。(あぁ、来てよかった。もらって帰ろう)ってなるんだもの。素敵なお土産ですよ。噺だけじゃない。来場特典。こういうことでいいのです。お金をかけた特典などでなくてもいい。主催者の方の演者さんに対する愛も感じますし。あぁ、今日の会。本当に来てよかったな。