SHUNGA 春画展 - 永青文庫

思い立ったが吉日。ということで、これまで、押切さんはじめ、いろいろな方々に「行った方がいいよ!」と薦められてきた「SHUNGA 春画展 - 永青文庫」へいそいそと。

しっかし、永青文庫て、すごい辺鄙なところにあるのな。それにまずびっくり。

あと、女性客が多い。“芸術・アート”“愛情表現”という包み紙というか、フィルターと言うかが、かかっているからこそ成り立つ「春画展」なわけでね。

加齢臭漂うおっさんもたくさんいたし、おっさん=エロな好奇心と決めつけてはいけないが、単なるエロな好奇心をも「芸術性」「文化論」で(無論、本来が芸術文化の表現の一つとしての春画なわけだが)包み込んでしまう。だからこそ、おっさんだけじゃなく、若い女性も年配の女性も、はたまた老夫婦さえも気兼ねなく来展してきていたのだろう。

少なからず北斎展などを観てきた俺が改めて思うのは「日本の画家・版画絵師の腕(感性&テクニック)って凄いよね」ってこと。すごい人たちが250年も前に日本には生きていたのですね。

今回初めて感激したのは版画の超絶テクニックの数々。

多色摺りや「毛割(けわり)=わずか1ミリの間に何本もの細い髪の毛を彫っていくスーパーウルトラテクニック。頭部・髪の生え際を彫る際に用いられる」などは、もう見ただけで凄いのがわかるわけで。知っていたけれども、「きめ出し」や「空摺り(からずり)」は初めて知りました。

「きめ出し」や「空摺り(からずり)」は凹凸を表現する超絶技巧。着物の柄や背景など、絵具が付いているわけではないのに紙の凹凸で模様が表現されているのがそれ。もう気づいたときはとてもびっくりしちゃいましたよ。すげーなーと。

他にも「雲母摺(きらずり)」「木目潰し(もくめつぶし)」も知りりました。人物などの背景を一色で摺ることを地潰しと言い、その地潰しに雲母の粉末を用いたものを雲母摺と言んだそうです。「木目潰し」とは、淡い色で地を潰し、木目を美しく際立たせたもののことだそうです。

職人・画家同士で腕を競い合っていたからこそ、生まれてきた手法なのでしょうね。素晴らしい。

喜多川歌麿、葛飾北斎らは言うに及びませんし、歌川と言えば広重や国芳なのかもしれませんが、俺的には歌川国貞がもっとも記憶に残りました。とても見事なモノでした。

その帰り道。某所の前を通りかかると、撮影しているではありませんか。映像仕事(で下働き)をしていた経験者としては、(お!なんかやってる!)という気持ちと共にいつも(ご苦労様です。その大変さ、わかりますよ)という気持ちになってしまう。

誰を撮ってるのかなぁと思ってみていると、なんと!伊丹刑事と芹澤刑事ではありませんか!

そうです。「相棒シーズン14」のロケ現場に遭遇してしまったのです。

狂喜乱舞しそうな心に急ブレーキをかけ、しばし傍観。やはり(ADさん、ご苦労様です)の気持ちが先に立ってしまいます。

帰宅し、家族に話したところ、みな喰いついてきましたよ。ふっふっふ。お父さん、鼻高々。

★マーケティングの視点★

展覧会でもそう。テレビドラマでもそう。いまの「女性」たちの気持ちを理解し、先入観に囚われることなく見つめ、検証し、市場化していくべきなのです。ただ単に「女性、年代」で昔のように捉えているだけでは失敗しますよ。