12月中席夜の部「入船亭扇辰」主任興行@鈴本13(金)

12月中席夜の部「入船亭扇辰」主任興行@鈴本13(金)

柳家小はぜ:「たらちね」
春風亭一蔵:「幇間腹」
三増紋之助:曲独楽
橘家文左衛門:「道灌」
古今亭志ん輔:「宮戸川」
ロケット団:漫才
桂文雀:「蔵前駕籠」
柳家小ゑん:「ぐつぐつ」※百栄・白鳥の代演
-仲入り-
柳家小菊:粋曲
春風亭一朝:「看板のピン」
ダーク広和:奇術
入船亭扇辰:「藪入り」


先日の「扇辰日和」に引き続き、行ってきました、鈴本12月中席夜の部「入船亭扇辰主任興行」。

17:00から入場。客の入りも俺好みの良い感じ(要するに混んでない)。大好きな席「ほ-16」に陣取り、2階売店で売っている神田志乃夛寿司の稲荷寿司と海苔巻のお弁当をぱくつきながら開演を待つ。う~ん、至福のひととき。

初めて観る前座さん、柳家小はぜさんは「たらちね」。きれいな坊主頭で、落語もきれい。しっかりした芸を感じさせ、まるで昔の菊六(現・文菊)さんを彷彿とさせる。期待大。

一蔵さんは「幇間腹」。元気が良くて観ていて気持ち良し。ただ、正直な気分としては今日は小辰さんが聴きたかった。「幇間腹」で一番上手いと思ったのは菊之丞師のやつ。

紋之助さんの曲独楽。気弱な感じがいいよねぇ。「何色の独楽を回してほしいですか?」と聞かれて「黄色!」と答えたのはこの俺。なかなか回らず、悪いコトしちゃったなぁ…。ってなんで俺が感じなあかんねん!

文左衛門師は「道灌」。相当あっさり。具合でも悪いのなか?と感じていたけど、調べたら、このあとらくごカフェで「文左衛門の月例・文蔵コレクション」やってたのね。それでかー。な?

俺が湯島に降り立ったとき、目の前にいた志ん輔師匠は「宮戸川」。小痴楽さんに「宮戸川」を教えたのは志ん輔師匠かな?と思ったりしながら聞いていた。きれいな落語。

ロケット団。いつもの冒頭の件、「山形出身の方いらっしゃいますか?」のとき、「はい、ここにいます。名前も三浦です!」と手を挙げたくなるのです。いつも通り面白かった。ロケット団定例会にもいつか参加したいと思っています。

本日最初のお目当て。待ってました!文雀師匠。「蔵前駕籠」。初めて聴きました。文雀師匠らしいチョイスに痺れます。

百栄・白鳥両師の代演、小ゑん師匠は御得意の「ぐつぐつ」。でも俺としては他の新作落語が良かったなぁ。残念。そしてさらに、できれば百栄先生が聴きたかったのよねん。

いつも思う事。柳家小菊姉さんの三味線を聴きながらお酒を呑む会とかないのだろうか。お金出しますよ俺。それくらい“江戸の風”。粋だわぁ~気持ちええわぁ~。


本日二人目のお目当て。一朝師匠は「看板のピン」。渋く入って、笑いをたくさんとって下がって行きました。扇辰師との泣き笑い路線との対比だな。流石だ一朝師匠。トリを立てる。

ダーク広和先生は相変わらずおとぼけ素朴ながらも、「ザ・奇術」な奇術を。指の動きが流石な感じ。流れるような石と書く方の流石な感じ。

で、トリの扇辰師匠。(なにか?なにかな?)とドキドキしながら待っていると、(待てよ…この入り方は…)。やっぱり!こないだ「扇辰日和」で聴いたばかりの「藪入り」だぁ!

一瞬、がっかり。しかし、待てよ。と持ち直す俺。なかので聴く「藪入り」と、このほどよい人数の鈴本で聴く「藪入り」では絶対に何かが違うはずだ。

結果、そうであった。中野での「藪入り」も良かったけど、やっぱ寄席。かっこいいんだよ扇辰師匠。師が舞台装置の一部に見える位の陶酔感に浸れる鈴本空間は格別。渋し、燻し、燻し銀、燻し金。扇辰流泣き笑いの真骨頂。ぜひとも来週もっぺん行きたい。金曜日しかチャンスはない!行くぞ、俺。